POD Express Tips

第1回 feat.野村大輔 - アンプモデルとディストーション

POD Express Guitarは、HXシリーズから受け継いだ7つのアンプモデルと17種のエフェクトを極めてシンプルな操作体系で使っていただける、ギター用のアンプ/エフェクト・プロセッサーです。ここではPOD Express Guitarのベーシックな使い方をギタリストの野村大輔氏が紹介します。



Line 6が培ったアンプ/エフェクト・サウンドがコンパクトにまとまったPOD Express Guitar

PODといえばLine 6の代名詞とも言える名機で、一時期は誰もが持っていたアンプ/エフェクト・プロセッサーという良いイメージしかありません。多くのアンプやエフェクトが手軽に扱えて、操作性も簡単といったモデリングアンプの火付け役でした。今回のPOD Express Guitarはその操作性やサウンドの良さを継承しつつ、さらにコンパクトにまとまったスタイルになっています。

中域を押し出すような太さがあり、サウンドメイキングしやすい

CLEANからLEADまで7種類のアンプモデルがあり、ツマミを回して切り替えながらサウンドを作っていきます。徐々に歪み具合がハードになっていき、様々な音楽ジャンルに対応できるポテンシャルをしっかりと感じました。個人的に感じた点は、クリーンサウンドが良く、中域を押し出すような太さがあり、サウンドメイキングがしやすい印象です。また、アンプモデルのDYNAMICはギターのボリュームを絞ると太めのクリーンになり、ボリュームを上げると歪みが追従してくる、いわゆるチューブアンプの特性が感じられたので、ニュアンス重視のプレイヤーにも楽しめるアンプ・サウンドだと言えます。

全てのコントロールをパネル上のツマミで行うので、操作がかなり分かりやすく、触りやすいと感じました。ALTボタンを押すことにより、アンプのGAIN、MID、BASS、TREBLEのツマミも簡単操作できるので、リハーサル中でも状況に応じてパッとサウンドの調整が可能です。また、高校生の部活やスタジオでの練習時にはアンプのOFFモードがあるので、接続の方式が選べるのは嬉しいところです。家での練習時はアンプモデルを選択してヘッドフォンで、部活やスタジオでのリハーサル時はアンプをオフにしてギターアンプに接続して使用するなど、シーンで使い分けることができます。


ALTボタンを押しながらエフェクトの4つのノブを回すことで、アンプのGAIN、MID、BASS、TREBLEを調節できる。また、アンプタイプを「・」(AMPエンコーダー:6時の位置)を選択するとアンプをオフにできる。

今回は、アンプモデルとディストーションの紹介をしていますが、サウンドメイキングの方法として、最初から歪んだアンプを選択する方法と、クリーンのアンプにディストーションを追加して歪みを得る方法、そして、クランチなどのアンプで軽く歪ませてディストーションを追加する方法など、サウンドメイキングの幅がかなり出てきます。お互いのバランスを調節することにより弾き心地や、タッチのニュアンスが変わるので様々な組み合わせをぜひ試して欲しいところです。

ギターのギグバックのポケットに入ってしまうサイズ感で、これだけの高機能と高音質が出せてしまうのは驚きです。操作感も簡単ですぐに使い慣れる安心感がとても良いですね。



野村大輔

野村大輔(のむら だいすけ)
プロフィール

様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、レコーディングサポート、ライブサポート、作曲、編曲、プロダクトスペシャリスト、執筆活動など幅広く活動を続けている。30冊を超える書籍の出版や20本を超えるDVDの出版などにも力を入れ、Amazon書籍/教則本ランキングでベストセラー第1位を2度獲得。

◎Web: http://d-nomura.com/
◎X(旧Twitter):https://twitter.com/DaisukeNomura
◎映像制作スタジオ SAKURAGI STUDIO:https://sakuragistudio.jpn.org/

写真:星野俊


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