DL4 MkII Tips

第6回 feat.西田修大 - 「4つ目」のフットスイッチを使いこなす

DL4 MkIIの4つのフットスイッチの中で1番右にある「TAPフットスイッチ」は、タップテンポのスイッチとして使う以外にも、いろいろな機能をアサインさせて多機能スイッチとして使うことができます。ギタリストの西田修大氏による4つ目のフットスイッチの活用法を見ていきましょう。



大きく進化したTAPフットスイッチ

DL4 MkIIはさまざまな点でDL4から進化していますが、右端の4つ目のフットスイッチが多機能になったことも、大きなポイントだと思います。DL4ではタップしてテンポを入力するためのスイッチでしたが(またはルーパーとして使う際の1/2SPEED、REVERSE)、DL4 MkIIではこの部分を1スイッチ・ルーパーとして、またリピートを100%にするスイッチとしても活用できます。また、タップテンポ・スイッチとしても使い勝手が向上しているのも特徴です。他にもバンクの切り替えやエクスプレッション・ペダルのエミュレートとして使えますが、ここではタップテンポ、1スイッチ・ルーパー、リピートのコントロールの3つの使い方について、詳しく説明していきましょう。

四分で踏んで付点八分で鳴らせる進化系タップテンポ

初代DL4のタップテンポ・スイッチでは、付点八分音符のディレイ・タイムを入力する場合、スイッチを付点八分のタイムで踏む必要がありました。これはなかなか難しく、トレーニングが必要です。DL4 MkIIでは、TIME /SUBDIVセレクターで付点八分を選択しておくことで、四分のタイミングで踏んで付点八分のディレイを鳴らすことができます。これにより、付点八分のテンポ入力がとても簡単になりました。動画では、わかりやすいようにはっきりと四分音符でスイッチングをしてから付点八分の演奏をしているので、確認してみてください。付点八分で演奏するときは、ディレイ音がはっきりとしたモデルを選ぶことがコツです。


動画では、ディレイ音がクリアで味のあるVINTAGE DIGITALを選択。リピート音の輪郭がはっきりとした付点八分のプレイを楽しむことができる。また、TAPフットスイッチが赤く点灯している点にも注目。これは、現在このスイッチがタップテンポ機能にアサインしていることを示す(白は1スイッチ・ルーパー、オレンジ色はリピートのコントローラー)。

フリーズや発振が音楽的に使えるリピート調整機能

TAPフットスイッチにリピートを調整する機能を割り当てて、音をフリーズさせたり、その状態でTIMEを回して発振させることもできます。動画では、どちらもやっているのでぜひチェックしてみてください。かなり飛び道具的な使い方ができる面白い機能ですが、DL4 MkIIの良いところは完全に破綻せず、音楽的な範疇で使用できるようにチューニングされている点です。

ディレイとは別に独立して使える1スイッチ・ルーパー

TAPフットスイッチに1スイッチ・ルーパーを割り当てると、A、B、Cのフットスイッチそれぞれにプリセットした好みのディレイを使いつつ、ルーパーを使える点がまた素晴らしいです。初代のDL4はルーパーとして使った場合、ディレイが使えなかったので、これも画期的な進化ですね! ディレイとして使っている時に、4つ目のスイッチにルーパーがスタンバイしてくれていると、演奏の自由度が格段に上がります。

今回の3つの機能、いかがでしたか? 他にもエクスプレッション・トグルにしたり、プリセットDEFといったスイッチとしても使用できますが、タップテンポ機能だけでももっと深い使い方があって、例えばインテンポで踏むのではなくできるだけ速く短く踏むことでショートディレイを作り、楽曲の1シーンだけ彩りを変えて、インテンポで踏んでもとに戻すといった使い方もできます。このような一歩進んだ使い方は、また別の機会に紹介できればと思います。TAPフットスイッチの各機能はとても追求し甲斐がありますから、皆さんも楽しみながら使ってみてください!

編集補足 タップテンポの切り替え方法

ALT/LEGACYボタンを長押ししながら、TAPフットスイッチを押し込む。それらを同時に離すことでGlobal設定モードに切り替わります。モデル・セレクターを「CRISSCROSS」にセットすると、ALT/LEGACYボタンを押すたびにLEDインジケーターの色(役割)が変更されます。
・赤:タップテンポ
・白:1スイッチ・ルーパー
・青:エクスプレッション・トグル
・オレンジ:スクウィール
・黄:プリセットDEF
※設定の詳細はマニュアルの44ページ参照ください。



西田修大

西田修大(にしだ しゅうた)
プロフィール

1988年生まれ、広島県出身。君島大空 合奏形態、Songbook Trio、KID FRESINO、中村佳穂、石崎ひゅーい、UA、アイナ・ジ・エンド、絢香といったさまざまなアーティストのライブやレコーディングで活躍。現在の邦楽シーンを支える重要なギタリストの一人として注目を集めている。

◎Twitter: https://twitter.com/nsd_st
◎Instagram:https://www.instagram.com/shuta_nishida/

取材・文:井戸沼尚也
写真:星野俊
動画撮影・編集:熊谷和樹
録音:嵩井翔平


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