Helix Expert Report

池部楽器店リボレ秋葉原店 岡崎真沙人【米国本社研修課程修了】

「Helixは接客していて楽しいですね」

2019.10.02

Revole Okazaki main

秋葉原・電気街の喧騒から離れ、昭和通りの路地を入ってすぐのところに池部楽器店リボレ秋葉原店がある。ピックやカポタストといった小物類から大型アンプ、さらにはアコースティック・ギターからデジタル機器まで、充実した品揃えを誇るLM楽器の総合店だ。Helixファミリー製品が並ぶアンプフロアには、個性の異なるふたりのHelix Expertが在籍している。今回登場いただく岡崎真沙人さんは、自身がギタリストとしてだけではなくエンジニア、ライブPAとしても活動しているため、Helixを“ギターの音色のみならず、音楽そのもの、ステージそのものをより豊かにする魅力的なツール”として捉えている。接客時の説明には、そうした視点も織り交ぜながら個性的なHelixの使用法を紹介することもあり、それに惹かれてHelixを購入するお客様も少なくない。



【店舗情報】
〒101-0026
東京都千代田区神田佐久間河岸55 ASビル
WEB: https://www.ikebe-gakki.com/realshop/revoleakihabara/
TEL: 03-3862-0069


やりたいことがあれば、Helixですべてできます

──Helixに初めて触れたときの印象を教えて下さい。
 遂に「ギターを弾く人の理解を超えたものが出たな」と感じたことを覚えています。僕自身、ギターはもちろん、バンドに関係する楽器はひと通り触ってきて、PAも好きでやっているので、ギター専門のギタリストとは感覚が少し違うと思うんです。Helixには、ギターを弾くだけの人はもしかしたら使わないようなエフェクト・モデルや出力端子もしっかり装備されています。例えばギターを弾きながらシンセも弾きたいとか、かつてそれをやるためには「ギター用にはこれ、シンセ用にはこれ」といろいろな機材を揃えなければならなかったのに、何かやりたいことがあればHelixを用意して「やり方を考えようぜ」ですべてできてしまいます。アイディア次第でいろいろなことができるものが、ようやく出たなという感じでした。

──お客様に説明が難しかった点はありますか?
いえいえ、Helixは簡単ですから。接客していて楽しいですよ。まず、用意されているプリセットが豊富で、普通に使うならコレ、変わった使い方をしたいならコレというのが最初から入っていますので、素早く魅力を伝えられるのがいいですね。さらにプリセットをひと通り試していただいた後で「Helixならこんな面白いことができますよ」というご提案をできるのも楽しいですし、お客様もテンションが上がるようです(笑)。

──具体的にはどのような提案を?
最近は、同期ものやバックトラックと一緒に演奏をする方が増えていますよね。そのときに、Helixを使えば別の楽器や別のパートを最大で4チャンネルまで一括管理できるので、ボーカルにディストーションをかけたり、ブレイクのところで全員分のリバーブをHelixで一度にポンッとかけたり……と聞くと、楽しくなりませんか? お客様も盛り上がってくださって、Helixの話だけで半日経ってしまったこともあります(笑)。でも、そうするとお客様もまたお店に来てくれますし、Helixを通じて良い関係が作れるんです。

ギタリストが考えるその先を、Helixを使って提案するのが僕の仕事

──岡崎さん自身は、どのように音楽と関わってきたのですか?
音楽に目覚めたのは、12〜13歳の頃だったと思います。きっかけは近所の友達がギターをやっていて、借りてみたら全然弾けなかったことで、逆にのめり込みました。その後は中学校ではヘヴィメタル、高校ではパンクとヒップホップしか聴かず、ハードコアのバンドとラッパーに夢中でしたね。王道のギターヒーローを追いかけるタイプではなく、ギターを手始めにいろいろな楽器に触れてきましたし、今では家に鳴らせないサイズのスピーカーが転がっています(笑)。

──ギターだけを中心とした音楽生活ではなかったわけですね。
ええ、ギターだけにこだわってはいないですね。当店には、僕と森田祐介というふたりのHelix Expertが在籍しているのですが、ギタリストのお客様でHelixの音にこだわる方は森田が接客することが多く、ギターを弾いていて何か面白いことをしたいというお客様やベーシストのお客様を僕が接客することが、特に取り決めをしているわけではないのですが、自然とそうなっていることが多いですね。

──タイプの異なる2名のHelix Expertが在籍していうのは、リボレ秋葉原店さんの強みですね。
そうですね。これは僕の考えですけど、ギタリストが機材に関して考えていることって、実はギタリストしか気にしていないということがままあると思うんです。実際に、リスナーやオーディエンス、PA担当、ディレクション担当は、違うことを考えていることが多く、僕はそちらの視点でのご提案ができると思います。ギタリストの方がHelixを使う場合、最初はもちろん好みの音がするものを直列で並べるだけでも十分に楽しめますし、実際それでいいと思います。そこから先を掘り下げていくともっと面白いことができますよというのをメーカーさんと協力しながら提案していくのが、僕の仕事だと思っています。

ひとつのスイッチにギター用とシンセ用のディレイ、リバーブをアサインして、1アクションで両方をオン/オフ

──岡崎さんが作ったプリセットを紹介してください。
先ほどの「Helixで面白いことができる」というひとつの形で、1台でギターとシンセをコントロールします。
上のラインが一般的なエレクトリック・ギター用で、オーバードライブがあり、アンプがあり、ディレイとリバーブがあるという感じですけど、IRのスピーカー・シミュレーターを使っているところがポイントですね。ラインで出した時にスピーカーのサイズで音の印象がだいぶ変わるので、ここはIRと通常のシミュレーターを使い分けます。下のラインはシンセサイザーで使うことを想定したものです。コンプ、ファズ、ロータリー、ディレイ、リバーブをつないでいます。
Helixはひとつのスイッチに複数のエフェクト・モデルをアサインできるので、ギターとシンセの両方のラインにかけるディレイやリバーブをひとつのスイッチにアサインして、1回の動作で両方をオン/オフできるのがポイントです。これで、シンセやシーケンサーを流してループさせて、それをバックにギターを弾くということもできます。Helixがあれば、どこでも、なんでもひとりでできますよ。

【オリジナル・プリセット】


──このプリセットはバンドマンだけではなく、個人で音楽を楽しみたい人にも参考になりそうですね。
 そうですね。音楽の楽しみ方は、ますます多様になってきていると思います。そうした中で、Helixを「ギタリスト脳」だけで捉えるのはもったいないと思うんですよ。Helixを使って、もっともっと面白い音楽やステージができると思うので、ぜひなんでも聞いてください!



【Helix Expert Profile】
岡崎真沙人(おかざき まさと)
自身がライブPA、エンジニア、ギタリストとして活動していることから、幅広い視点で接客対応や提案ができることが強み。2006年に池部楽器店に入社以来リボレ秋葉原店一筋で、多くの顧客・常連から慕われている。

取材・文:井戸沼尚也
写真:星野俊

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