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AMPLIFiオリジナルトーン#2: JUDY AND MARY「Over Drive」風セッティング

2014.08.21

by 阿部 学

AMPLIFiのオリジナルトーン作成方法をご紹介するコラムの第2回は、JUDY AND MARYの名曲「Over Drive 」風のセッティングにトライしてみましょう。

JUDY AND MARYのギタリスト、TAKUYAさんのサウンドの特徴はなんといってもテレキャスターやストラトキャスターのシングル・コイルを活かしたクランチーなサウンドだと思います。今回はこのクランチ・トーンを実現するためのサウンド・メイキングを紹介しましょう。サウンド・サンプルの演奏にはJames Tyler Variaxモデリング・ギターを使い、テレキャスターをベースとしたモデルであるT-MODELを使用しています。

まずベースとなるアンプのモデルには、ご本人が愛用しているアンプを参考にしてMatch D-30を選択しました。このアンプ・モデルの特徴は、ブティック・アンプならではの艶のあるサウンドにあると思います。この曲は1曲通してギタートーンにはそれほど変化がないので、実際のトラックと同じようにイントロ~Aメロ~はギターは1本で、サビは左右に振ったダブルになるよう、少し変わった形で再現してみようと思います。

では、イントロ・リフとAメロ、サビ(左右ダブル)のトーンの作り方を説明していきましょう。サウンドのサンプルも試聴できますので、参考にしてください。

●イントロ・トーン

イントロ・リフのトーンは、Noise Gateを強めにかけた後で、トレブリーかつクランチーなサウンドを作るためStompでコンプレッサーのBlue Comp TrebをONにしています。パラメーターは、Sustain =59、Level =65。そしてMatch D-30アンプ・モデルの各パラメーターはDrive= 70、Bass= 79、Mid= 52、Treble= 57、Presence= 64、Volume= 60に、またキャビネットは 2×12 Match、マイクは57 Sを使用しました。

全体の音を整えるためにアンプ・モデルの後ろにあるコンプレッサーをONにして、Threshold= -25dB、Gain= 6dBにしています。リズム・ギターのサウンドなので、空間系はリバーブのみ少しかけて立体感を出しましょう。ここではブティック・アンプならではのサウンドを生かすため’Lux Springを選択して、Dwell= 50、Tone= 53、Tone= 63、Mix= 19にしました。これでTAKUYAさんならではの歯切れの良いクランチ・サウンドが得られます。

●サビのギター・トーン

今度はサビ部分のギタートーンを作っていきたいと思います。ここでは本物と同じように、ギター2本を左右に振ったダブルのステレオサウンドで再現してみます。アンプモデルは同じですが、より明確なサウンドにするため、GainとMidを少し下げて、Gain= 66、Bass= 79、Mid= 61、Treble= 62、Presence= 64、Volume= 60に設定しました。

キャビネット、マイク、Stompのコンプレッサーはそのままですが、よりブライトなサウンドにするためEQをONにして、パラメーターはLo Shelf Freq= 404Hz、Lo Shelf Gain= 3.1dB、Lo Mid Freq= 1.1kHz、Lo Mid Gain= 2.5dB、Hi Mid Freq= 1.3kHz、Hi Mid Gain= 2.2dB、Hi Shelf Freq= 4.9kHz、Hi Shelf Gain= 3.3dBとしました。EQで少し音量が上がった分、アンプモデリング後のコンプレッサーでGainを少し下げました (Gain= 3dB)。また奥行きを出すため、最後のReverbではMixだけ少し上げて23に設定しました。

いかがでしょう?TAKUYAさんならではのシングル・コイルP.Uを活かしたサウンドが再現できたと思います。AMPLIFiをお持ちの方はぜひお試しください。では次回をお楽しみに!

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)

abe_memories13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。ソロ・アルバム『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。

http://blog.livedoor.jp/manabu_eternity/

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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