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AMPLIFiオリジナルトーン#2: JUDY AND MARY「Over Drive」風セッティング
by 阿部 学
AMPLIFiのオリジナルトーン作成方法をご紹介するコラムの第2回は、JUDY AND MARYの名曲「Over Drive 」風のセッティングにトライしてみましょう。
JUDY AND MARYのギタリスト、TAKUYAさんのサウンドの特徴はなんといってもテレキャスターやストラトキャスターのシングル・コイルを活かしたクランチーなサウンドだと思います。今回はこのクランチ・トーンを実現するためのサウンド・メイキングを紹介しましょう。サウンド・サンプルの演奏にはJames Tyler Variaxモデリング・ギターを使い、テレキャスターをベースとしたモデルであるT-MODELを使用しています。
まずベースとなるアンプのモデルには、ご本人が愛用しているアンプを参考にしてMatch D-30を選択しました。このアンプ・モデルの特徴は、ブティック・アンプならではの艶のあるサウンドにあると思います。この曲は1曲通してギタートーンにはそれほど変化がないので、実際のトラックと同じようにイントロ~Aメロ~はギターは1本で、サビは左右に振ったダブルになるよう、少し変わった形で再現してみようと思います。
では、イントロ・リフとAメロ、サビ(左右ダブル)のトーンの作り方を説明していきましょう。サウンドのサンプルも試聴できますので、参考にしてください。
●イントロ・トーン
イントロ・リフのトーンは、Noise Gateを強めにかけた後で、トレブリーかつクランチーなサウンドを作るためStompでコンプレッサーのBlue Comp TrebをONにしています。パラメーターは、Sustain =59、Level =65。そしてMatch D-30アンプ・モデルの各パラメーターはDrive= 70、Bass= 79、Mid= 52、Treble= 57、Presence= 64、Volume= 60に、またキャビネットは 2×12 Match、マイクは57 Sを使用しました。
全体の音を整えるためにアンプ・モデルの後ろにあるコンプレッサーをONにして、Threshold= -25dB、Gain= 6dBにしています。リズム・ギターのサウンドなので、空間系はリバーブのみ少しかけて立体感を出しましょう。ここではブティック・アンプならではのサウンドを生かすため’Lux Springを選択して、Dwell= 50、Tone= 53、Tone= 63、Mix= 19にしました。これでTAKUYAさんならではの歯切れの良いクランチ・サウンドが得られます。
●サビのギター・トーン
今度はサビ部分のギタートーンを作っていきたいと思います。ここでは本物と同じように、ギター2本を左右に振ったダブルのステレオサウンドで再現してみます。アンプモデルは同じですが、より明確なサウンドにするため、GainとMidを少し下げて、Gain= 66、Bass= 79、Mid= 61、Treble= 62、Presence= 64、Volume= 60に設定しました。
キャビネット、マイク、Stompのコンプレッサーはそのままですが、よりブライトなサウンドにするためEQをONにして、パラメーターはLo Shelf Freq= 404Hz、Lo Shelf Gain= 3.1dB、Lo Mid Freq= 1.1kHz、Lo Mid Gain= 2.5dB、Hi Mid Freq= 1.3kHz、Hi Mid Gain= 2.2dB、Hi Shelf Freq= 4.9kHz、Hi Shelf Gain= 3.3dBとしました。EQで少し音量が上がった分、アンプモデリング後のコンプレッサーでGainを少し下げました (Gain= 3dB)。また奥行きを出すため、最後のReverbではMixだけ少し上げて23に設定しました。
いかがでしょう?TAKUYAさんならではのシングル・コイルP.Uを活かしたサウンドが再現できたと思います。AMPLIFiをお持ちの方はぜひお試しください。では次回をお楽しみに!
著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。ソロ・アルバム『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。
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