POD HD

末原名人のPOD HD音作り塾 Vol.2 ~ ジョージ・ハリスンのトーンを再現

POD HDに搭載された革新的なHDアンプ・モデルは、チューブ・アンプ特有のフィーリングや挙動、サウンドを実現しており、ピッキングなどの演奏のニュアンスやボリュームに対する抜群の反応により、プロフェッショナルなギタリストからも非常に高い評価を獲得しています。このブログ連載では、ロックの歴史を彩るギター・サウンドを知り尽くした末原名人が毎月、名盤に収められた楽曲を題材にしながら、POD HDの音作りを解説! オーディオ・サンプルでトーンを確認することも、トーンのファイルをダウンロードして使うことも可能です。

by 末原 “名人” 康志

名盤サウンド再現シリーズ第2弾はザ・ビートルズの『アビイ・ロード』でのジョージ・ハリスンだ。このアルバムでのメイン・ギターは木目でホロー・ボディ、あの有名なTelecaster®。アンプは、このアルバムには欠かせないLeslie® スピーカー、あとは主にFender® Twin Reverb® と思われる。

今回から、サウンド・サンプルの演奏には James Tyler Variaxモデリング・ギターを使用して、楽曲にマッチしたギター・モデルのトーンを選んでいるので、そこも含めて楽しんで欲しい♫

出力方法の設定について:

POD HDのグローバルな設定で最も大事なことが、使用する環境に合わせてのアウトプットの選択だ。VIEWボタンを長押ししてセットアップ画面に入り、OUTPUTの画面でMODEを選ぶ。

・コンソールや録音機器にラインで送る場合は Studio/Direct
・ギター・アンプの通常のインプット端子へ接続する際は、接続先のコンボ/スタックに合わせて Combo Front または Stack Front
・ギター・アンプのパワー・アンプ部へ接続する際は (エフェクトリターンなど)Combo Power Amp または Stack Power Amp

トーン1: 「サムシング」のソロ

Gibtone 185 -> Rotary Drum -> Rev (Tile): Mic = 121 Ribbon; Variax =LESTER sw5 (1958 Les Paul Standard/front)

この頃は、Leslieスピーカーへオルガンだけでなく、ギターを接続して使用することもあったので、ギターアンプは使用されていない可能性もある。ここではFenderアンプにはこだわらずに作ってみた。ギターに関してだが、このプレイはLes Paul説が有力だ。James Tyler Variaxでは、1958年製Les Paul® Standardのモデリングをチョイスしている。

» アンプの設定

POD HD Vol.2 Tone01_amp

» エフェクトの設定

POD HD Vol.2 Tone01_fx

» デモ・サウンド

トーン2: 「オクトパス・ガーデン」のイントロ

Tube Comp -> Blackface Dbi Vib Pre -> Rev (Plate); Mic=57 on; Variax = T-MODEL sw5 (1968 Telecaster Thinline/front)

トーン、プレイ共に名演と言える1曲だ!  近い雰囲気が出たこのアンプを選択。コンプ感とリバーブも良い感じ♫ ギターはチャンバーボディのTelecaster® Thinlineのモデル。

» アンプの設定

POD HD Vol.2 Tone02_amp

» エフェクトの設定

POD HD Vol.2 Tone02_fx

» デモ・サウンド

トーン3: 「アイ・ウォント・ユー」のイントロ

Tube Echo -> Rotary Drum -> Blackface Dbl Nom -> Blackface  “Lux Nrm -> Digital Delay; Mic = 57 on; Variax = T-MODEL sw5 (1968 Telecaster /series)

ジョージが得意とするレスリーを使ったアルペジオ・サウンド。このパート、よく聴くと実はダブル・トラック (2本重ねてある) である。異なるアンプを使い、片方は少しだけタイミングを遅らせて再現してみた。オリジナルは定位が同じだが、あえてステレオにしてある。

» アンプの設定

POD HD Vol.2 Tone03_amp

» エフェクトの設定

POD HD Vol.2 Tone03_fx

» デモ・サウンド

では、次回をお楽しみに!

【POD HD用パッチのダウンロードについて】
このブログに掲載されているトーンは CustomTone からダウンロードして、お手元のPOD HDで使用できます。各トーン・ファイルは以下のリンク先で [Get Tone] ボタンをクリックするとコンピューターへダウンロードできます (Line6アカウントへのサインインが必要です。アカウントをお持ちでない場合は、ホームページ上部の「新規アカウント作成」をクリックしてください)。そのトーンをPOD HD Editソフトウェアに読み込みましょう。詳しくは 製品マニュアル をご覧ください。

Tone 1: 04 George SOMETHING

Tone 2: 05 George OCTOPUS

Tone 3: 06 George I Want You

注: この原稿はPOD HDのデスクトップ版をもとに作成されていますが、トーン・ファイルはPOD HD500やPOD HD Proでも使用できます。

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著者プロフィール: 末原 康志 (すえはら やすし)

セッション・ギタリストとして数々のアーティスト、シンガーのレコーディング、ライブにギタリスト、アレンジャーとして参加。末原名人の愛称で知られる。近年ではCHEMISTRYとのコラボレーションを始め、SCOOP ON SOMEBODY、長渕剛、河村隆一、渡辺美里、石井竜也、SMAP等の作品に携わる傍ら、4枚のソロ・アルバムと2枚のバンド・アルバムを発表している。

sueharayasushi.com/


*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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