Stompbox Modeler

Line 6ユーザー・ストーリー: 朝三憲一

レコーディングやライブ・サポートから作曲、アレンジまで幅広く活動を行うギタリストの朝三憲一氏は、3年ほど前から倖田來未のライブに参加しており、A-Nationやビルボードのステージなども共にしてきました。4月より行われる予定の倖田來未「Koda Kumi Live Tour 2011 ~Dejavu~」では、POD HD500の導入により初めてアンプレスのセットアップを採用。ツアー前のリハーサル・スタジオで、そのいきさつを伺うことができました。

セッション・ギタリストとして幾多の現場をこなしてきた朝三さんは「ギタリストにはそれぞれ“好みの音”があります。こんな音になればいいのにっていう、頭の中に描いている理想のサウンドの種類はそんなに多くなく、どんな機材を使っても自然とそれに近づけるチューニングをするのが面白いなと思いますね」と語り、従来のPODシリーズを「その“こんな音”に到達するスピードが速い」と評価してきました。その思いは、新たに導入したPOD HD500でさらに強いものとなりました。

朝三さんが最も高く評価するのが、新たに開発されたHDアンプ・モデルのクオリティです。「アンプの情報が最大の従来の10倍になっているということで、実際にそこは大きく違いますね。どこかの帯域に寄り過ぎることもないし、ピッキングのニュアンスもよく出ます。ひとつの音色で、ギターのボリュームを絞ってちょっとクリーンにしたり、ピッキングのニュアンスでクリーンにしたり、逆にちょっと強く弾いて歪ませたりという、そういう手元のコントロールへのレスポンスが良くなっているので、凄く弾きやすいですね」。

今回のライブ用に用意したトーンでは、主にFender BassmanやMarshall JTM-45 MkII、AC30 (Top Boost) をベースとする3種類のHDアンプ・モデルが使用されました。「モデリングのベースとなったアンプをイメージするよりも、先入観無しに出音で選んでいます。16種類のHDアンプ・モデルで好きな音は作り出せていますし、コンパクト・エフェクターのモデルも入っているので、アンプ・モデルで歪ませることも、アンプはクリーンにしてエフェクターで歪ませることもできますからパターンは無尽蔵にありますね。今回のライブはひとつのプログラム内でクリーン、クランチ、歪み、ソロ用ブーストの4チャンネルを作って、その中でエフェクトをオン/オフを切り替えるだけで行けそうです」。

オリジナルPODからLine 6製品を愛用してきた朝三さんは、Line 6製エフェクターのヘビー・ユーザーでもあります。同じく現在ツアーをサポートするmoumoon用のセットには長年愛用するMM4 Modulation ModelerとDL4 Delay Modelerが収められており、MM4ではトレモロやUniVibe、RotoVibe、またDL4ではAnalog DelayとReverse Delayを使用。「倖田 (來未) さんのツアーで使うPOD HD500では、これまでMM4やDL4でやっていたことなどを内蔵エフェクトでやることもあります。ディレイはいろいろなパターンを作っておいて、それをオン/オフして切り替えることが多いですね」。

このmoumoonのステージには従来通りギター・アンプが置かれていますが、ステージ上でアンプを使うかどうかは状況次第だということです。「ステージ上でアンプが鳴っているエアーの音が他の音にカブるのが大事なときは、アンプを鳴らした方がいいと思いますし、音楽のジャンルによってはライブ・ハウスとかだと最前列にいるお客さんにはステージの生の音も聞こえるので、アンプからの出音が無いと逆に変なバランスになってしまうことがありますね」。

アンプレスの環境を採用するにあたり、朝三さんは「アンプレスでやっている人を見かけるたびに質問したりして、1年ぐらい悩んでましたね」と笑います。「今回の倖田さんのツアーのように会場が大きい場合、カブりを意識しなくてよさそうなので、思い切ってアンプレスにしました。実際にやってみると違和感は全く無いし、音に関する不満は一切無いですね」。

POD HD500は入出力が充実しているため、ステージ上ではほんとんどの場合にイヤーモニターを使うという環境にも見事にマッチしました。「POD HD500の出力のうち、PAへはXLRで出力していて、手元に置いているイヤモニ用のミキサーには1/4インチの出力から接続しています。I/Oが充実していて、1/4インチとXLRの両方が付いているのも、HD500を導入した決め手になりましたね」。

朝三憲一プロフィール:

1991年、バンド「PTON」でバップよりメジャーデビュー。アルバム2枚シングル2枚をリリース。全曲作曲担当。その後東芝EMIに移籍。アルバム1枚シングル3枚リリース。1994年解散。以後、レコーディング、ライブサポート、作曲、アレンジ等セッションギタリストとして活動している。

【ライブ、ツアー】
moumoon、大塚愛、倖田來未、島谷ひとみ、中澤裕子、飯田圭織、安倍なつみ、the brilliant green、m.o.v.e 等

【レコーディング】
安室奈美恵、松田樹利亜、Lisa Go、19「ジューク」(アレンジも担当)、w-inds、CHEMISTRY、安倍麻美、椎名へきる、田村直美、ワカバ (アレンジも担当) 等

sammy ブログ:sammy31.blog.so-net.ne.jp/

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