TIPS/テクニック

阿部学のHelixトーク 第11回

『スクリブルストリップの利便性』

今回のHelixトークは、Helix Floor&Helix Controlに備えられ、その大きな特長の一つである『スクリブルストリップ』について語ってみようと思います。

スクリブルストリップ、要はフットスイッチのディスプレイですね。
個人的には “Helix最大の強み” と思っています。
勿論サウンド面や、機能性の高さもHelixの強みです。
しかしこのスクリブルストリップの便利さからは、他のギタープロセッサーやフットコントローラーも比べても群を抜いた出来の良さを感じます。

それだけ便利…というか、もう助けられてるといっても過言ではありません。
特にライブで使用する方は本当に重宝しますよ。

ではフットスイッチの上にディスプレイを備えた事で、一体どんな事が可能になるか見ていきましょう。

・プリセット名やアサインしたエフェクト名(ストンプ・モード)が表示される

abe11-1

勿論まだまだあります。

・上下段ともにプリセット

abe11-2

・上段がプリセット、下段がストンプ

abe11-3

・上段がプリセット、下段がスナップショット

abe11-5

・上段がスナップショット、下段がプリセット

abe11-6

・上段がスナップショット、下段がストンプ

abe11-7

・上段がストンプ、下段がスナップショット

abe11-8

・上下段ともにスナップショット

abe11-9

*スナップショットについては、「Helixトーク 第2回」をご参照ください。

これだけ見てみても、フットスイッチにディスプレイを備えた利点がお分かり頂けると思います。

ちなみに僕は上段がストンプ、下段がプリセットのパターンを普段使用しているのですが、上段右端の「MODE」スイッチを踏めば、アサイン出来るエフェクトの数が増えます。

abe11-12

左端の「BANK」も消してエフェクトアサインに使用する事も可能です。

ルーパーを使用する場合もこのディスプレイに録音や再生の表示がされるので、暗所でも全く問題ありません。

abe11-11

僕は少し前にルーパーを使う舞台に出演していたのですが、それが演出上ステージはかなり真っ暗な状態でして…
その時は当たり前のようにこのディスプレイを見ながら操作していましたけど、後で「Helixじゃなかったらどうなっていたんだろう」と思います。
それほど安心感のあるディスプレイなんです。

その他にもHelixならではの機能の一つに「ハンズフリー・ペダルエディット・モード」があります。
これは足元の操作だけで、パッチのパラメーターを弄ってそのままセーブ出来るという機能なんですが、それもやはりこのディスプレイがあるから可能になった機能ですよね。

まずはこのように使用しているモジュールが表示されます。

abe11-10

その中から例えばディレイを選択。
そうするとパラメーターが表示されます。

abe11-13

手に入れた当初は思わず癖でしゃがんでましたけど、最近はこの機能をよく使用するようになりました。
例えばライブのMC中、セッション等で他のミュージシャンがソロを取っている時、そして演出上しゃがむ事が出来ない時など…物凄く便利です。

あとここも重要な要素ですが、このディスプレイに表示されるエフェクト名やスナップショット名は勿論任意のものに変更可能です。

例えば僕はソロブースト用のスイッチを用意していまして、これは分かりやすく「SOLO」と名称を変えています。

abe11-14

それから複数同じエフェクトを置いた時に一目で分かるように「Delay 2」というふうに名称を変えているのもあります。

abe11-15

スナップショットの名称も自分好みに変える事が可能です。

abe11-16

このフットスイッチのディスプレイ、もしかしたら「そんなのいちいち見てられない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ただ僕の経験上じっくり見る時もあれば、無意識のうちに一瞬確認している時が多くあります。
実はこういう時、強い武器になるんですよね。

ライブだと一瞬の判断が重要だったりするので。

以前使っていたプロセッサーはこんなディスプレイは勿論なくて、基本的に「ここにはリバーブ、ここにはディレイ…」という自分の中での決まりを作っていたんですけど、このHelixを使いなれた後にそのプロセッサーを久しぶりに使ったら、頭の中では分かってるはずなのに踏む前に一瞬戸惑うようになってしまいました。
それだけこのディスプレイを頻繁に見ているんだなと、改めて感じました。

僕はこれだけ取ってもHelixは手放せません。

尚、最近発売されたHelix LTには、この「スクリブルストリップ」は装備されていませんが、その代わりにメインのディスプレイ上に「パフォーマンス・ビュー」が備わっており、ここでほぼ同様の機能が実現されています。
見え方は異なりますが、エフェクトが色分けされていて、こちらも便利そうです。

abe11-17 abe11-18

Helixの購入を考えている皆さん、この機能にも是非とも注目してみて下さいね!

★阿部学主宰Helix ユーザーグループ(Facebook)への参加
https://www.facebook.com/groups/910662599034878/


Manabu Abe

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13才でギターを始め、バンド活動。
その後は六本木ピットイン等でのセッション活動や楽器メーカーのインストラクターを経て、女性ユニットZweiのサポートギタリスト、 ディズニーリゾートでのショー出演、セッション活動、ゲームミュージックのレコーディング活動等、精力的に活動。
最近ではLine 6のデモ演奏・セミナー、岩佐美咲(元AKB48)のサポートギタリスト、渡辺美奈代のアニバーサリーライブでのギター参加、他にギターレッスンにも力を入れている。

« 記事一覧に戻る