TIPS/テクニック

阿部学のHelixトーク 第2回



『スナップショット』

このたびFacebook上でHelixユーザー・グループをスタートしました。ご参加条件は特になく、ユーザーではなくてもHelixに関心のある方であればどなたでも大歓迎ですので、ご興味のある方はこのページの下段にあるリンクよりご参加ください。

さて、Helixブログの2回目はバージョン2.00で追加された新機能「スナップショット」について解説したいと思います。

Helixはフットスイッチでパッチ・チェンジだけではなく、エフェクト等のON/OFFやパラメーターの変更も出来ます。
これを使用している方は多いと思いますが、このスナップショットを使えばさらに便利なんです。

特にこのような事をしたい方には最適です。

1. 音色チェンジする時の音切れを無くしたい。
2. シグナルチェーン上に置いたエフェクトを自由自在に組み合わせてON/OFFしたい。

1.に関しては望んでいた方も多いでしょう。
この手のデジタル処理を行うエフェクト・プロセッサーのパッチ・チェンジは、どうしても音切れが発生します。
ディレイ等に限ってスピルオーバーが可能な製品もありますが、基本的にはこれは仕組み上どうしても避けられないものです。

それがこのスナップショットを使えば実現してしまうんです。
と言っても、実際はパッチ・チェンジをする訳ではありません。
1つのパッチの中でエフェクトのON/OFFやエフェクトのパラメーター等 “その時その時の動作” をスナップショットとして記憶させておくんです。
シーンメモリー機能という言い方をしても良いでしょう。

これだけ聞くと『それって、バイパス/コントローラー・アサインと同じじゃないの?』

と、思われる方もいらっしゃるでしょう。
違うんです!もっと色々な事が出来るんです。

例えばこれは、僕が『SNAPSHOTのデモ用』作ったパッチです。

このスナップショット1~4で

・ クリスタルクリーンサウンド → スナップショット1(Eternity)
・ リズム用ディストーション → スナップショット2(Backing)
・ リード用ディストーション → スナップショット3(Solo)
・ クリーンサウンド → スナップショット4(Clean)

が切り替えられるようにしてあります。
このルーティングに関しての詳細説明は省略しますが、ディストーション用のモジュール、クリーンサウンド用のモジュールの2つの異なるルーティングが同じシグナルチェーン上に置いてあります。

この中からエフェクトON/OFF、各アンプモデリング&エフェクトのパラメーターの数値、マージミキサー等のパラメーターの数値を設定して目的のサウンドを作る。
そして、それを各スナップショットに記憶させる。
それだけなんです。

“音を作ったその時の状況をそのまま記憶させる” という物です。
難しい操作は一切ありません。

これで1つのパッチ内で様々な事が出来ます。
勿論音切れはありません。

そして2.の使い方。

『1つのパッチ内で自由自在にエフェクトを組み合わせる』という物。
簡単に言うと、エフェクトボードのプログラマブル・スイッチャー的な使用方法です。

ルーティング上に、自分が使用するであろうエフェクトを置けるだけ置きます。
そのエフェクトの組み合わせをスナップショットに記憶させる訳です。

エフェクトのON/OFFは通常のバイパス・アサインでも出来ますが、それだと特定のエフェクトをON/OFFするだけになってしまいます。
しかしスナップショットを使えば、プログラマブル・スイッチャーのような使い方が出来てしまうんです。
例えばエフェクトを5つ置いたとします。

・ SNAPSHOT 1の時は、1・2
・ SNAPSHOT 2の時は、1・3・4
・ SNAPSHOT 3の時は、2・3・5
・ SNAPSHOT 4の時は、1・4・5

というようなエフェクトの組み合わせが可能に。
まさにエフェクトボードのプログラマブル・スイッチャー的な発想ですよね。
これプラス、パラメーターの数値設定を組み合わせれば本当に自由自在な音色チェンジが1つのパッチ内で可能になります。

ちなみにこのスナップショット、先ほどのフットスイッチ上のディスプレイを見てお分かりのよう、名前も自分の好きな名称に変える事が可能です。
勿論LEDリングの色も変更可能。
ここら辺はHelixの大きいアドバンテージですよね。

さて、このスナップショット。
今回は2つの使用方法を紹介しましたが、まだまだ様々な使用方法があると思います。

まさに『ギタリストの数だけ使い方がある』自由度の高い機能です。
設定も思ってる以上に簡単なので、是非ともトライしてみてください!

★阿部学主宰Helix ユーザーグループ(Facebook)への参加
https://www.facebook.com/groups/910662599034878/


著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)

13才でギターを始め、バンド活動。
その後は六本木ピットイン等でのセッション活動や楽器メーカーのインストラクターを経て、女性ユニットZweiのサポートギタリスト、 ディズニーリゾートでのショー出演、セッション活動、ゲームミュージックのレコーディング活動等、精力的に活動。
最近ではLine 6のデモ演奏・セミナー、岩佐美咲(元AKB48)のサポートギタリスト、渡辺美奈代のアニバーサリーライブでのギター参加、他にギターレッスンにも力を入れている。

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