Helix Stadium
有賀教平×Helix Stadium XL Floor User Interview
“Helix StadiumでLine 6の音が一段も二段も進化したと思います”

ネオソウルを始め、様々なジャンルを昇華した独自のプレイ・スタイルと美しいサウンドが多くのアーティストから絶大な信頼を集めているギタリストの有賀教平氏。2025年12月からは自身のシステムにLine 6のHelix Stadium XL Floor(以下、Helix Stadium)を導入し、そのサウンドにさらに磨きをかけている。今回、有賀氏にHelix Stadiumの魅力と使いこなしのポイントを解説してもらった。
自分のアンプをマイキングした音と遜色ない“Agouraモデリング”のサウンド
──これまでLine 6の製品としてはHX Effectsを愛用されていたそうですね?
はい。レコーディングではその場その場でいろいろな音色を求められるので、たくさんのエフェクトが入っているHX Effectsがあると安心感があってよく使っていました。音が凄くクリアで、どんな音もノイズが少なくて使いやすかったし、使っていくうちに音が自分にフィットしていく感じも良かったです。他にはHELIX Floorにも触れる機会が何度かあって、そのサウンドも素晴らしくて印象に残っています。
──Line 6製品の音をよく知っている有賀さんが、Helix Stadiumを最初に弾いた時はどう感じましたか?
新しい“Agouraモデリング”のサウンドは、これまでのものよりもさらに一段も二段も進化しているように感じました。皮が剥けたように明瞭な音がしていますよね。僕は普段レコーディングやライブ現場で自分のアンプをマイキングした音をイヤーモニターで聞いているんですけど、それと本当に遜色ないというか、多分ブラインド・テストをしたらわからない位の空気感のある音を耳の中で感じたんです。そして、床置き型のモニターでも同じサウンドが得られたので、これならアンプを持っていけないような現場でも使えるなと感じました。
──操作性についてはいかがでしたか?
大きな画面に直接タッチして操作できるのは僕らが普段使っているタブレットやスマホのような感覚で、すごく馴染める機材だなという印象です。特に説明書などを見なくても音作りができて、そういうところも進化しているなと感じました。
──かなり好印象だったということですが、ズバリ、導入を決めたポイントは?
導入したのは2025年の12月ですが、その頃、一つのシステムで実機アンプに繋いで使えて、アンプのない現場でもラインで使える、実機とラインの両方に対応できるものを探していたんです。その少し前にHelix Stadiumがリリースされたので、試してみたら音も機能も凄く良かった! さらに僕の中での大事な要素としては、アンプに繋ぐ場合に外部のエフェクターを繋ぐことがあるんですけど、それに対応できるようセンド /リターンの端子が充実していてほしいということがありました。Helix Stadiumはセンド /リターンの端子がズラリと4つずつ揃っているので(※Helix Stadium XL Floorの端子数)、僕にとってはアンプ出力の時に安心感を持って使えるんです。もちろんライン出力にも非常に強いので、その両方に対応できるというところがポイントでした。

有賀氏のペダル・ボードの全景。Helix Stadiumをボード内に収めて、外部エフェクターとも連携しながら可搬性の高いシステムになっている。Helix Stadiumシリーズの中でもセンド/リターンの端子を4組も備えているHelix Stadium XL Floorは、外部ペダルも用いるシステムの中枢にうってつけだ。

8インチの大型高解像度のスクリーンは、視認性が抜群。しかもタッチスクリーンなので直感的な操作が可能だ。有賀氏も「特に説明書などを見なくても音作りができる」と述べている。また、指先一つで複数のパラメータを非常に簡単に直感的にコントロールできる“Focus View”も有賀氏のお気に入りの機能だ。
Agouraアンプ・モデルの音の良さを活かしたシンプルなセッティング
──有賀さんはHelix Stadiumをどのように使っているのか教えてください。
今のところは主にライブの現場で使うことが多くて、Helix Stadiumを中心に外部のエフェクターも含めたボードを作って使っています。それでクリーン、クランチ、リードの3種類の音を作り、基本的にはこの3種類でほとんどの楽曲に対応しています。
──Helix Stadiumの使い方としてはライブのセットリストの楽曲毎に音を作り込み、進行に合わせてプリセットを切り替えていくようなことも考えられますが、有賀さんはかなりシンプルに使っているんですね。では、その3種類の音の作り方を教えてください。
まず、クリーンの場合は、“US Luxe Black”というアンプ・モデルを好んで使っています。クリーン・トーンでも強いタッチでは僅かな歪み成分が加わって、すごく気持ちの良い音がするんですよ。クランチは、これに外部の歪みペダルを加えるだけですね。リード用には、最近のアップデートで加わった“Mandarin Rock 3”というアンプ・モデルを使っています。リードでより深く歪ませる場合にはブースターを入れます。“US Luxe Black”も“Mandarin Rock 3”も、どちらもデフォルトの音が凄く良いので、そこから微調整するくらいで素晴らしい音がするんですよ。キャビネット・モデルも、デフォルトの組み合わせのままで使っています。
──セッティングのポイントは?
僕は普段、実機のアンプで音を作るような時でも、どクリーンで音を作ることはほとんどなくて、強く弾くときに少しバリッとした歪み成分が加わるような音を作るんですね。同じように、“US Luxe Black”のクリーンでは“Drive”のパラメータを6位まで上げていて、そうするとクランチまでは歪まないんですけど、艶感が出て、真空管アンプらしいサウンドになるんですよ。リアルなアンプの挙動を再現する上で“Drive”を少し上げていくというのが、僕の中でポイントになっているのかなと思います。
──リード・サウンドも、深く歪んでいるのにしっかり弦の音が聞こえますね。
“Mandarin Rock 3”はハイの成分が気持ちよくて、痛くない高域がしっかりと抜けてくれます。さらに、深い歪みから手元のボリュームを絞るとクランチ程度まで歪みが落ちてくる追従性も素晴らしいと思います。この辺りはさすがですね。それから、新しい“Agouraアンプ・モデル”はどれも外部のアナログ・ペダルとの相性が凄くいいんですよ。そうしたところも本物のアンプのような感覚で使えます。

有賀氏が使用している“US Luxe Black”はクリーン〜クランチが艶やかな60年代のアメリカ製コンボ・アンプがモデルとなっている。有賀氏は“Drive”のパラメータを6程度まで上げて、クリーンでありながらも強く弾いた時には歪み成分が感じられるセッティングにしているのがポイントだ。

“Mandarin Rock 3”はドライヴ・サウンドに定評があるイギリス製スタック・アンプがモデル。実は取材前日のアップデートで加わった新しいモデルだが、こうしたアンプも早速チェックして取り入れているようだ。
アップデートで新たな価値が加わってくるのが魅力!
──リード・サウンドで使っていた“Mandarin Rock 3”は最新のアップデートで加わったばかりのモデルです。Helix Stadiumのアップデートについてはどのように感じていますか?
Helix Stadiumは最初からサウンドも機能も良い上に、さらにどんどんアップデートされて、買った時以上の価値が後から加わってくるのが本当に魅力ですよね。これから一体どんなモデルが追加されていくのか、僕自身も知らないアンプや知らない効果のエフェクターが加わってくるんじゃないかと本当に楽しみにしています。
──今のところ、Helix Stadiumの使い方はライブ中心ということですが、今後についてはいかがですか?
これからは自宅でのレコーディングにも使っていきたいですね。それから、音源を入れてテンポ同期させながら様々な操作を自動化できる“Showcase”機能も面白くて、それを使ったソロ・パフォーマンスもできたらいいな、なんて考えています。Helix Stadiumはもうすでにめちゃくちゃ気に入っていろいろな現場で使っているんですけれども、今後さらにアップデートが入るし、何より使っていて安心感があってトラブルにも強いので、これからも長く使っていくと思います。皆さんも、ぜひ楽器店などで試してみてください。

2026年3月のアップデート「1.3」では、2種類のAgouraアンプ(それに含まれる5種類のチャンネル)が追加された他、注目の新機能“Proxyクローニング・エンジン”が追加された。これは、お気に入りのアンプ、アンプ+キャビ、プリアンプ、歪みペダルのサウンドをキャプチャして使用できるというもの。これにより、Helix Stadiumのサウンドメイクの自由度が大きく広がった。
●Helix Stadiumとは?
Helix Stadiumアンプ&エフェクト・プロセッサーは、これまで世界中で高く評価されてきたHelixアンプ&エフェクト・プロセッサーをさらに新次元にまで押し上げたLine 6の新製品。パワフルなDSPと全く新しいAgouraモデリングによって、卓越したサウンドと演奏時のダイナミクスへの自然なレスポンス、洗練された直感的なユーザー・インターフェースとコントロール機能を実現している。
従来のHelix/HX®製品で作成されたプリセットはHelix Stadiumプロセッサーとの互換性を保っているのも、Line 6ファンにとって嬉しいポイントだ。
- 全く新しいAgouraモデリング
- Hypeコントロール機能で、超リアルなアンプサウンドと理想化されたアンプサウンドを自在に調整
- Proxyアンプ、キャビネット、エフェクトのクラウドベース Cloningエンジン搭載
- Helix/HXファミリー製品とのプリセット互換性
- 高解像度タッチスクリーン
- 高コントラストOLEDスクリブルストリップ(XLのみ)
- Focus Viewによる直感的なパラメータ・コントロール
- Preset Audition用オーディオ・クリップと情報表示
- Showcaseオートメーション機能およびプレイバック・エンジン搭載
- トゥ・スイッチ付き高精度エクスプレッション・ペダル(XLのみ)
- Wi-FiおよびBluetooth®コントロール
- 無償のHelix Stadiumエディター・ソフトウェア
10代の頃よりプロとして活動し、多くのアーティストのレコーディングやサポートで活躍しているギタリスト。近年は、佐々木秀尚(ギタリスト)とのギター・デュオ“2oz”で活動しているほか、Kurt Carr、松田聖子、柴咲コウ、佐藤健、Official髭男dism、ずとまよ、Ado、SixTONES、WEST.、AꓸBꓸCーZ 、THE RAMPAGE 、Da-iCE、家入レオ、GEMN、竹内アンナ、 AKASAKIなど実に多くのアーティストをサポートしている。さらに、ギター講師やギター関連機材のデモンストレーターとしても活躍中。
Instagram:https://www.instagram.com/kyoheiariga/
X:https://x.com/ari_megane
動画撮影・録音・編集・写真:川村健司
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