Helix Expert Report

石橋楽器横浜店 立花隼人

「Helixの最大の魅力は、自分で色づけができる“余白”です」

2019.12.24

Ishibashi nakajima main

音楽の盛んな街・横浜にて、エレキ~アコースティック・ギター、ベース、ドラム、管楽器、デジタル機材、楽譜まで幅広い製品を扱う総合楽器店、石橋楽器横浜店。同店には2名のHelix Expertが在籍している。ここに紹介する立花隼人さんは、80年代からの音楽と機材の変遷をつぶさに体験してきた上でHelixの魅力を語ることができる経験豊かなエキスパートだ。



【店舗情報】
〒220-0005
神奈川県横浜市西区南幸2-17-1 相鉄南幸第7ビル 2F、3F
TEL: 045-311-1484
WEB: https://www.ishibashi.co.jp/store/yokohama.html


ペダルのわかりやすさとラックの音質を兼ね備えたギタープロセッサー

──立花さんが楽器や機材に興味を持ったのはいつ頃ですか?
ギターを始めたのは中学生の頃で、当時は邦楽を聴いていました。高校の頃はギターヒーローと呼ばれる人たちに憧れて、ひたすら速く弾く練習ばかりしていましたね。その後、バンドでボーカルをやっていた時期があり、音楽的にもテクニカルなものから離れ、80sポップスをよく聴くようになります。80年代当時の独特の音がカッコいいなと感じて、大学で再びギタリストとしてバンドを組んだ際はラック・システムを導入しまして、大型のラック、アンプを持ってライブに出かけると、ライブハウスに着く頃にはもうへとへとになっていましたね(笑)。それが2000年代に入り、コンパクト・ペダルをスイッチャーで制御するのが流行り始めました。当然のように自分もやってみたのですが、突き詰めていくと音のクリアさはラック式には及ばないと気づきまして……。コンパクト・ペダルのわかりやすさ、ラックの音質の良さというそれぞれの長所を持ったものがあればいいなと思った頃に、昨今のギタープロセッサーが登場したんです。

──そうした経験からHelixをどう感じましたか?
音が良くてコントロールしやすいという意味で、まさにコンパクトとラックの長所を併せ持っていると思いました。その上で、機材からの押しつけではなく、自分で色をつけられる「余白」があるのがHelixの最大の魅力だと思っています。プロセッサーは、ともすれば「こういうものだから、こういう使い方をしてください」と一方通行に受け取られやすいものだと感じています。でもHelixは音作りはもちろん、使い方も本当に自由です。お客様の中にも、ストンプモードしか使わない方、空間系しか使わない方がいらっしゃいますけど、それがその方のHelixの使い方なんですね。Helixは、その時にその人がしたいことをきちんと提供してくれますし、深掘りしたければいくらでもできます。そういった「余白」こそが頼もしく、素晴らしいなと思います。

HelixはぜひPowercabと組み合わせて使ってほしいですね

──立花さんがお勧めするHelixの使い方は?
例えばHelix Floorは、ライブで使えるのはもちろんですが、自宅でのレコーディングにも積極的に使ってみてほしいですね。オーディオインターフェイスとしても機能しますし、アウトボードとしても使えます。フィルターやコンプレッサーにはLine 6らしい旨みのあるモデルが多いので、ぜひボーカルにもかけてみてください。自宅で使ったデモ・サウンドを、そのままステージで再現できるのも魅力です。
それから、Powercabとの組み合わせも試してみてほしいですね。実機のキャビネットまで含めて音作りをしていますという方もいますが、するとマイクから先はPA任せになってしまいますよね。そこも含めてコントロールできるのは本当に大きいですよ。また、レコーディングやライブの途中でスピーカーやキャビネットを変えることはほぼ不可能ですが、Powercabを使うことで「歌のバックはこのスピーカー、サビからはこのスピーカー」ということを、ギタリストが好む、ギター・アンプらしい馬力を感じながら変えることができます。Helixとパワードモニターでも同じようなことはできますが、馬力を感じられるのがPowercabの魅力ですね。特にバンドマンにお薦めしたいと思います。

──音楽が盛んな横浜だからこそ、接客や対応面で特色が出る部分はありますか?
そうですね、まずはいちHelix Expertとして初動からアフターケアまでしっかりとやりたいと思っていますが、Helixは購入いただいた時点で巣立っていく印象ですね。それだけ、Helixはお客様が手にした瞬間からパートナーになっているんだと思います。もちろん、そうなるように導入の要点をご案内差し上げていますし、そうするとお客様も乗ってきて、先々の使い方、作品までクリアに見えてくるので、購入後すぐにパートナーになるんだと思います。またおっしゃるとおり、横浜は音楽に情熱を持っている人が多いんですよ。Helixについての質問も、概念的ではなくより具体的なものが多いです。ですから、この地で楽器店をやるということは責任重大ですし、自分の使命だとも思っています。



【Helix Expert Profile】
立花隼人(たちばな はやと)
新卒で石橋楽器店へ入社後、横浜店、御茶ノ水本店などいくつかの店舗勤務を経て、2019年9月から横浜店の主任に。ギターはメタルからポップスまで時代毎のサウンドを肌で体験。コンパクト・ペダルの良さから巨大ラック・システムの良さまで知り尽くした上でHelixの魅力を説く、その説得力に定評がある。

原稿協力:井戸沼尚也
写真:星野俊

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