Variax Talk

阿部学のVariax Talkリターンズ #2

2018.10.18

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『Variaxの実用面におけるメリット』

Variax Talkリターンズ、2回目は実際に使ってみてどんなところが便利かいろいろと語ってみようと思います。

現在Variaxは『Variax Standard』、『James Tyler Variax』、『Shuriken Variax』とバリエーションが増えていて、ギタリスト各々の好みに合う物が用意されていますが、初期のVariaxと異なるのは『素のエレキギターとしても使える』ということです。

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個人的にはここが凄く気に入っている…というか、Variaxの利便性を高めている一つの要因かと思っています。

もしかしたら「自分はVariaxモードだけでいい!」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし音のバリエーションが増えるという意味でも、万が一バッテリーが切れてしまった時などの緊急時の対策という意味でも、マグネティック・ピックアップのモードがあるのは安心です。

ちなみに私の場合ですが、通常はマグネティック・ピックアップを使用し、状況によってVariaxモードを使用するというパターンが多いです。
「それ意味あるの?」と思われてしまいそうですが、ちゃんと意味あるんです!

私はピックアップの配列がSSHのギターを使うことが多い(James Tyler Variaxも同様)のですが、そのバリエーションだけだとやはり限界があります。
時にはフロント・ハムバッキングPUの音を出したい時もあれば、フロント&リア・シングルPUの音やリア・シングルPUの音が出したい時もあります。

もっと分かりやすい言い方をすれば、レスポールの音、テレキャスターの音、ストラトキャスター、その他にもセミアコの音を出したい時があるということです。
この気持ち分かってくれる方、多いと思います。

なにせギタリストはわがままですから(笑)

ただこの気持ちは常にある訳ではなく、弾く楽曲やフレーズによって変わるということも重要です。
あれもこれもできるから常にいろいろな物を使う訳ではなく「素のギターを基本として、そこにVariaxモードを追加する使い方」という訳です。

もちろん「自分は常にVariaxモードを使うんだ!」というのも良いですね。
ギタリストの好みに応じていくつもの使い方がある。
それがVariaxですから。

あとVariaxの凄いところは、ボリュームやトーンのカーブや効き具合までもモデリングしてあるという点です。
つまり、モデリングのベースになった歴史的なギターのトーンが丸々入ってる訳です。
さらには、モデル・セレクター・ノブに2つあるカスタムモデル・バンクに様々なギター・モデル、PUセレクターの位置などを登録することが可能です。
この機能を使えば、PUセレクターが1番の位置はレスポールのフロントPU、2番の位置にはストラトキャスターのフロントPU、3番の位置にはアコースティックギター…というような組み合わせまで可能になります。

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今アコースティックギターと書きましたが、このVariaxにはアコースティックギター、12弦のアコースティックギター、シタール、バンジョー等のモデリングも入っているんです!

「この曲のこの部分だけアコースティックギターの音が欲しい」

なんて時も、Variaxは簡単に答えてくれます。
なんたってモデル・セレクター・ノブを回すだけなんですから。

あとシタールも良いですね!
初期Variaxが出た時は「シタールの音が欲しいからVariaxを買った」という方も実際にいました。
シタールなんて本物買えませんからね(笑)

これらだけでも充分魅力的なVariaxですけど、これだけではありません!

僕がもっとも重宝している機能
「オルタネート・チューニング」
これが本当に便利なんです。

オルタネート・チューニング・ノブを回せば、11種類のチューニングが瞬時に切り替わる!(モデルによって内容は異なります)
前回も少し書きましたけど、JTVシリーズ発売当初のセミナーツアーでもこの機能をもちろん紹介した訳ですが、ノブを回してチューニングが変わっていく様は物凄いインパクトだったようで、参加された皆さまの驚いた反応をいまだに覚えています。

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この機能の使い道はたくさんあります。
よくあるのが曲をコピーする時ですかね。
現代は様々なチューニングの楽曲が溢れている時代です。
半音下げ、1音下げ、ドロップチューニング、オープンチューニング、さらには変則チューニング等々。

それらを普通にチューニングするのは大変です。
ましてやダウンチューニングの場合は、張ってるゲージによっては弦のテンションが弱くなり弾きづらいなんてことも。
それが、このオルタネート・チューニング機能があれば簡単にカバーできてしまいます。
私は普段ギターレッスンをよく行っているのですが、半音下げチューニングの曲って結構多くて…
そんな時はこの機能を使います。

もちろんライブやリハーサルでも!
これは実際にある話ですけど…

・チューニング違いの曲を、曲間を開けずに演奏したい
・シンガーに合わせてチューニングを変えたい

これ本当にあるんですよねぇ。
しかも仕事の場合、断れないことが多々あります。
もちろん不可能なことは不可能と断りますけど、できることならリクエストに応えたい。

あとこれも実際にあった話しですが、カバー曲を演奏する舞台で、役者さんのキー合わせする時もこの機能があって大助かり。
キーを何回も変えて演奏する訳ですが、譜面と格闘しながら必死に演奏するミュージシャンを尻目に自分だけはノブを回すだけで、元の譜面に書いてるあるコードを見ながら悠々と演奏…なんてこともありました。

そしてこの機能のさらに便利なところは、オリジナルのチューニングも保存できるという点です。
しかも本体だけで簡単に。
私のVariaxにもオリジナルチューニングがいくつか保存されています。

半音上げ、1音上げ、オリジナル変則チューニング等がよく使うチューニングですかね。
半音上げや1音上げをよく使うのは、カバー曲の練習をする時で「譜面は変更キー、渡された音源は原曲キー」なんて時に、このオルタネート・チューニングを使って対処します。
この時は複数のチューニングを使いますね。

これが普通のギターだったらどんなに大変なことか…
なので、曲の練習する時はVariaxが手放せません。

あとVariaxの良いところはバッテリー駆動という事ですかね。
しかもかなり長持ちします。
フル充電で12時間以上使えます。
リハーサルしてライブしても、まだまだ使えます。
しかもバッテリー自体小型な所が素晴らしいですね!

そして、HelixとVDIケーブルで連携させれば、バッテリーも不要になり、フットスイッチ1つでギター・モデルやチューニングも変更することが可能になります。

こんな隙のないVariaxですが、次回はサウンドサンプル付きで紹介したいと思います!

★阿部学主宰Helix ユーザーグループ(Facebook)への参加
https://www.facebook.com/groups/910662599034878/


Manabu Abe

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13才でギターを始め、バンド活動。
その後は六本木ピットイン等でのセッション活動や楽器メーカーのインストラクターを経て、女性ユニットZweiのサポートギタリスト、 ディズニーリゾートでのショー出演、セッション活動、ゲームミュージックのレコーディング活動等、精力的に活動。
最近ではLine 6のデモ演奏・セミナー、岩佐美咲(元AKB48)のサポートギタリスト、渡辺美奈代のアニバーサリーライブでのギター参加、他にギターレッスンにも力を入れている。2018年11月に自身のソロアルバムをリリース予定。

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