TIPS/テクニック
阿部学のHelixトーク 第8回
『Helixファームウェア 2.20』
今回のHelixトークでは、先日公開になったばかりのファームウェア Ver. 2.20についてお話しをしたいと思います。
その前に!
Helixをアップデートする前に必ずバックアップを取ってください。
そしてエディターソフト「Helix Edit」のバージョンアップも同時に行ってください。
最新バージョンで追加になったモデルがエディター上に出てきません。
さて、今回のバージョンアップでは、様々なアンプ・モデル、キャビネット、エフェクト等が追加された訳ですが、アンプ・モデルに関してはベース用の物が多く追加されています。
Helixの主なターゲット層はギタリストです。
しかしながら、非常にたくさんのIn / Out、そしてハイクオリティーなエフェクトが豊富に入っているので、ギタリストに限らず、様々なミュージシャンに使って頂けるプロセッサーでもあります。
なので、今回のアップデートでのベースアンプ・モデル追加は、ベーシストの方にも是非とも知ってほしい内容です。
昔はベース用のPODがありましたけど、もうそんな差別化はしなくて済むようになったのかもしれませんね。
キャビネット・モデリングの追加に関しては、今回 1×12の小さな物が多く追加されています。
スピーカーキャビネットというと、どうしても4×12や、2×12のような大きな物のイメージを持つ方もいると思いますが、私のようなラックエフェクター全盛期を通った人間からすると、大変馴染みのあるサイズでもあります。
大きなラックケースの両脇に1発ずつ置いてステレオにするという使い方が定番でした。
こうするとコンパクトかつ、すっきりしたステレオ感が得られたんですよね。
それ以外にも、小さいキャビネットながらしっかり作られた物が多かったので、タイトかつ小気味の良いサウンドが得られるのも特徴です。
その特徴が今回リアルに再現されていますね!
実際アップデート直後に行われた、新製品『Helix LT』のレビュー動画の収録にも、この新しいキャビネットを使用しました。(1×12 Cali EXT)
その他にも、Helix等で使用できるインパルス・レスポンスのパック『Allure Pack IRs (6種類)』が無償でダウンロード出来るのも大きなトピックですね。
Helixの中にもたくさんのキャビネットが内蔵されています。
しかしこのインパルス・レスポンスを追加すれば、さらに自分好みのサウンドにする事が可能です。
今回のIRパックに限らず、ネットで色々と探してみるのも良いですね!
オススメな使用方法はシグナルをスプリットさせて、Helix内蔵のキャビネットと混ぜる使い方です。
混ぜ具合はMerge Mixerで調整しましょう。
そしてエフェクトモデルもたくさん追加されました。
自動でバイオリン奏法ができる「Auto Swell」あたりは、待ち望んだユーザーが多かったのでは?
その他にも、マイケル・ランドウが使用していた事で人気を博したコーラスペダル Arion SCH-Z CHORUS(改造版)をベースにした「PlastiChorus (Mono, Stereo)」も追加されました。
揺れの大きめな、深いコーラスサウンドが得られるエフェクトです。
それからLine 6オリジナルのエフェクトもたくさん追加されています。
3-Band Compのマルチバンド・コンプレッサーも素晴らしいと思いましたが、個人的には「Vintage Swell (Mono, Stereo)」というバイオリン奏法を可能にするディレイが凄く気に入りました。
Rate、Depthコントロールがあるので、モジュレーション効果も得られてアンビエント感が増します。
という訳で今回のサウンドサンプルは、新たに追加になったVintage SwellとPlastiChorusを使って演奏してみました。
両エフェクトともパラメーターは、ほぼデフォルトのままです。
※サウンドサンプル
いかがでしょうか?
コーラスの深みと、Swellディレイならではのアンビエント感が素晴らしいですね。
Vintage Swellは、音の入力に対して反応がナチュラルなので、巧みなボリューム操作をしているかのようなバイオリン奏法が可能です。
こんな音色が簡単に作り出せてしまうなんて…ひと昔前では考えられなかったですねぇ。
今回のアップデートではこれらの音に関する物だけでなく、新たな機能も追加されています。
DAWやMIDI対応機器とのテンポベースの同期を可能にするMIDIクロック送受信対応や、VariaxとVariax Workbench HD間のインターフェース機能のサポート等。
詳しくはここで確認して頂ければと思います。
Helixが発売されてから約1年半。
アップデートの度にかなりの強化がなされて、本当に魅力が増しました。
そしてこうしたアップデートが継続的に提供されること自体も、Helixの魅力の1つでもあります。
その魅力の増したHelixの進化を、是非とも味わってみてください。
★阿部学主宰Helix ユーザーグループ(Facebook)への参加:
https://www.facebook.com/groups/910662599034878/
著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13才でギターを始め、バンド活動。
その後は六本木ピットイン等でのセッション活動や楽器メーカーのインストラクターを経て、女性ユニットZweiのサポートギタリスト、 ディズニーリゾートでのショー出演、セッション活動、ゲームミュージックのレコーディング活動等、精力的に活動。
最近ではLine 6のデモ演奏・セミナー、岩佐美咲(元AKB48)のサポートギタリスト、渡辺美奈代のアニバーサリーライブでのギター参加、他にギターレッスンにも力を入れている。
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