TIPS/テクニック

阿部学のHelixトーク 第7回

『Helix内蔵エフェクトのクオリティー』

今回のHelixトークは内蔵エフェクトの品質について語っていきます。

Helixは、ゼロから開発された最新モデリング技術『HXモデリング・エンジン』とパワフルなデュアルDSPによって、アンプモデリングの質だけでなく、エフェクトのクオリティーも格段に上がっています。
このエフェクト部分の品質を語る上でよく引き合いに出されるのが、ディレイやリバーブ等の空間系エフェクトですが、それらのクオリティーはすでに多くのところで語られており、どうしてもありきたりな内容になってしまうので、少し視点を変えます。

エフェクトのクオリティーを判断するのに最適なエフェクトがもう1つあります。
それはピッチシフターです。ハーモナイズド・ピッチシフターもそうですね。
実際に弾いた音をプロセッサーで処理して音程を変化させる訳ですが、一般的に、特にギター等では音程が微妙に揺れてしまうこともあり、入力の強弱が多い楽器ではどうしても上手く追従させるのが難しいのです。

今回のサウンドサンプルでは、Helixのピッチシフターを使って、オクターバーやハーモニー的な使用方法ではなく、あたかもチューニングを変えたかのような使い方をしてみたいと思います。
これを聴いていただくと、Helixのピッチシフターの精度の高さがよく分かって頂けると思います。

ちなみに通常のハーモニー的な使用方法だと、歪みエフェクトやアンプモデリングの後に配置すると思いますが、今回の方法では歪みエフェクト&アンプモデリングの前に配置します。
よりギターの入力に近い位置に配置する訳です。

この方法、ダウンチューニングが多くなったここ近年では使っている方も増えてきてますよね。
僕も先日のライブで7弦ギターを使用した楽曲を演奏する事になり、通常ならLine 6のVariaxを使うのですが、運搬の関係で持って行けなくてどうしようかと思っていたところにこの方法を思い出し、実践してみたら全く問題なく使えて驚いてしまいました。
それからは半音下げチューニング等の曲があったら、この方法で演奏する事が増えました。

ちなみに先日ESPミュージカルアカデミーで行われたセミナーでは、曲の途中で転調する部分をこの方法で演奏しました。
こうした切り替えを、Helixのスナップショット機能と連携させても効果的ですね。

今回のサウンドサンプルでは、レギュラーチューニング→半音下げをギターのボリュームやP.Uを変えて交互に弾いてみたもの、それから7弦ギターと同じLow Bの設定にして弾いた物を紹介します。
※いずれもHelix内蔵のディレイやリバーブを薄くかけてあります。

※サウンドサンプル 1 (半音下げ)

※サウンドサンプル 2 (2音半下げ)

いかがでしょうか?

Helix内蔵ピッチシフターの精度の高さがお分かり頂けたと思います。
こんな風にも普通に使えてしまうんです。
チューニングをフットスイッチを踏むだけで変更できますし、これで演奏する曲のバリエーションも増えますね!

Helixをお持ちの方も、そうでない方も是非ともお試し頂きたいと思います。

★阿部学主宰Helix ユーザーグループ(Facebook)への参加
https://www.facebook.com/groups/910662599034878/


Manabu Abe

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13才でギターを始め、バンド活動。
その後は六本木ピットイン等でのセッション活動や楽器メーカーのインストラクターを経て、女性ユニットZweiのサポートギタリスト、 ディズニーリゾートでのショー出演、セッション活動、ゲームミュージックのレコーディング活動等、精力的に活動。
最近ではLine 6のデモ演奏・セミナー、岩佐美咲(元AKB48)のサポートギタリスト、渡辺美奈代のアニバーサリーライブでのギター参加、他にギターレッスンにも力を入れている。

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