デジタルワイヤレス

Line 6 Relay G55レビュー – 最高のワイヤレス・ギター・システム?

Relay G55 TxRxレビュー: Gabriel Tanaka

評価: ★★★★★

まとめ: この価格帯ではプレミアなワイヤレス・ギター・システム。比較的コンパクトなサイズで秀逸なパフォーマンスを提供。レーテンシーは知覚できないレベルで、頑丈かつ高い信頼性。G55は最高の価値を誇るワイヤレス・ギター・ソリューションです。

Line 6 Relay G55デジタル・ワイヤレス・ギター・システムは、便利なハーフラック・サイズの筐体で、ギター・トーンへの妥協無しにツアーグレードのデジタル・ワイヤレス・パフォーマンスを提供すると謳っています。それは本当なのでしょうか。最高のワイヤレス・ギター・システムだと言えるのでしょうか? このLine 6 Relay G55のレビューで詳しく見て行きましょう。

もし読者がRelayワイヤレス・システムのG30やG50、G90を使っていたり、レビューを読んだことがあれば、新しいG55がどんなものかすぐに分かるでしょう。簡単に言うとG50とG90の優れた部分を集めた製品です。ハーフラック・サイズのユニットで、ラックマウントすることもアンプの上に置くことも、ペダルボード上で使用することもできます。しかも最大100mのレンジを実現し、最新の第4世代Line 6ワイヤレス・テクノロジーを採用。チャンネル数は14でなく12なので、G90よりは2チャンネル少ないものの、ずっと低価格でサイズも半分であることを考えれば、それはわずかな妥協に過ぎません。大抵の用途においてG55は、G30やG50、G90との比較にも勝利を収めるでしょう。G90よりも重量とサイズが低減されたG55に多くの人がメリットを見出し、G90が実現する追加2チャンネルを必要とする人は少ないと思います。

特徴:

パッケージには以下のような内容が記載されています。

・2.4 GHzによる干渉の無いシグナル
・DCL (Digital Channel Lock) による先進的なシグナル保護
・ライセンス無しに世界中で動作
・最新の第4世代デジタル・ワイヤレス・テクノロジー
・高域ロールオフ特性を再現するケーブル・トーン・シミュレーション
・ワンステップ設定 – レシーバーとトランスミッターで同一チャンネルを選択するだけ
・他のRelayトランスミッターやマイクと組み合わせて使用可
・クリアで見やすいビジュアル・ステータス・ディスプレイ
・最高の耐久性を備えたツアーグレードのハードウェア
・10Hz-20kHz (-2.5dB) の周波数特性
・117dB (A weighted) のワイドなダイナミック・レンジ、秀逸なトランジェント特性
・最大12同時チャンネル
・XLR、1/4インチ出力

Relay G55 Rack Mount Kitは別売ですが、アンプトップやフロアボードで使用するために2セットのゴム足が付属しています。
また、同梱されるミニXLR – 1/4インチ・ケーブルはストレート・プラグが使用されているため、ストラトスタイルの入力ジャックに最適です。レスポールやSGスタイルのジャック用にL字ケーブルが必要な場合は、別途購入の必要があります。

詳細はLine 6のオフィシャルWebサイトをお読みください。

Relay G55 system

では、この製品のパフォーマンスをチェックしていきましょう。

パフォーマンス:

セットアップは簡単です。同梱されている2本のアンテナをレシーバーへ装着し、電源アダプターを接続して、レシーバーの出力をアンプの入力やシグナル・プロセッサー、ミキサーなどへつないで電源を入れます。次にトランスミッターを、同梱されるミニXLR – 1/4ギター・ケーブルでギターへ接続し、単3電池2本を入れて電源スイッチをオンにします。両ユニットで同じチャンネル番号を選択すれば、それで動作します。簡単ですね。

まず気付くのはスムーズな動作です。テスト期間中にレーテンシーを感じることは全くありませんでした。これは特筆すべきことです。シグナルの伝送は本当に瞬時に行われました。これは本当に素晴らしい。

アナログ・システムであれば完全にレーテンシーフリーの動作を行える可能性があると言う人もいますが、干渉の問題に悩まされることがあります。Line 6は最先端のデジタル・ワイヤレス・テクノロジーによりレーテンシーを意識することなく、全くプロセスされないトーンを干渉無しに提供できます。そのクリアでピュアなサウンドはYouTubeビデオでの比較では不十分です。ぜひ自分のギターで体験してみてください。

ケーブル・トーン・シミュレーションは、レシーバー前面にあるボタンを押すだけで有効にできます。効果は非常に微妙なので違いが分からない場合もあるでしょう。私はオフにしておく方が好きですが、シグナルの高域を少しロールオフしたい場合には使うといいでしょう。

通信できる範囲は最高のものです。普通の使い方であれば、どこまで離れても使えます。大規模なクラブでも問題無いですし、スタジアムでのギグでも大丈夫でしょう。100mの範囲まで、全く無いようです。これは本当に素晴らしい。

バッテリーの持続時間も優れています。トランスミッター上とレシーバー上の両方のディスプレイでバッテリー残量が表示されます。バッテリー切れに驚かされることもないでしょう。

動作は全般的にスムーズで、かつシームレスでした。どんなときにも期待通りに動作し、面倒なことは全くありませんでした。

では、結論です。

全体的な評価: ★ ★ ★ ★ ★

Line 6 Relay G55デジタル・ワイヤレス・ギター・システムは、本当に素晴らしい製品であり、競合製品とは比べ物にならない出来です。Line 6のワイヤレス・システムを長年愛用しているギタリストを知っていますが、この製品はそれ以上です。比較的ポータブルなユニットでハイエンドのパフォーマンスとサウンドを実現しているので、この価格帯で最高のワイヤレス・システムだと言えるでしょう。私はこの製品が現時点で、ギター用のワイヤレス・ソリューションとして最高の価値を持つ製品だと思います。ワイヤレスを導入するなら、その回答がここにあります。Line 6 Relay G55は必需品です。

以上がLine 6 Relay G55のレビューの結論です。それを踏まえて、このユニットを最大限に活用するTIPSを幾つか紹介しましょう。

パワーユーザーTIP 1: 最高のチャンネルを選択

Relay G55 meters常に最高のパフォーマンスを確保するには、以下の作業を行ってください。まず、トランスミッターの電源を入れる前にレシーバー・ユニットの電源を入れます。レシーバー上の通常は緑のLED (RFと書かれています) が、WiFiルーターなど他のRFソースからの干渉シグナルを赤で表示します。干渉が無い場合は消灯、干渉がある場合は1 – 5個が点灯します。ノブで各チャンネル (1-12) を選択することで、各チャンネルのRF干渉を表示できます。干渉やドロップアウト無しに安心して使えるよう、点灯数が最も少ないチャンネルを選択しましょう。次にトランスミッターの電源を入れ、同じチャンネルを選択します。なお、私は常に3つのLEDが点灯し、中程度のRF干渉がある状態で数時間使ってみましたが、全く問題ありませんでした。

パワーユーザーTIP 2: トランスミッターのロック機能

演奏中に誤って電源スイッチに触ったりギターをミュートしたりするのが心配な場合は、トランスミッターをロックしましょう。トランスミッターの電源を入れ、チャンネルを正しく設定した後、SelectとValueのボタンを同時に2秒間押し続けると、LCD画面にLOCKEDと表示されます。この状態では電源スイッチを含めた全てのボタンが動作しなくなります。ユニットのロックを外すには、ロックする場合と同じ操作をします。簡単ですね。

パワーユーザーTIP 3: バッテリー残量の正確な数値

バッテリーは、一度休むと電圧が上がるので、電源投入して20分ほどすると正確な数値を確認できます。トランスミッターをオンにした段階で電池の大まかな残量は確認できますが、しばらくしたら再度確認するようにしましょう。

Relay G55 TransmitterパワーユーザーTIP 4: トランスミッターの固定

トランスミッターをストラップに縫い付ける必要があるでしょうか。幅5cmのストラップにはしっかりと固定されますが、私は非常にエネルギーに溢れたパフォーマンスを行っているときに、外れてしまったことがあります。幸運にも、ロック式のミニXLRケーブルはトランスミッターへ固定されたままで、ユニットをストラップへ付け直すまで、しっかりと留っていました。大抵のギタリストにとっては、これは問題にならないでしょうが、非常にアクティブなパフォーマーであれば、検討した方がいい場合もあります。

著者紹介: Gabriel Tanaka
Gabriel-Tanaka-Viper-Room1999年からLine 6ユーザーであるGabriel Tanakaは、ロサンゼルス在住のロック・ミュージシャンです。メンフィスで開催された「2005 Emergenza」コンテストで全バンドを打ち負かした後にニューヨークへ移り、モーリー (DEAD END、Creature Creature) から「演奏は気に入ったがボーカルと一緒に聞きたい」と言われ、ニューヨークのミュージシャンと演奏を始めました。これまでに、山田雅樹 (元LOUDNESS)、LilacのHitoshi Fujita、Sphinxらと演奏。現在はViking Angelの次作『Actually Huizenga』のレコーディング、ツアーを行っています。より詳細な情報は Gabriel TanakaのオフィシャルWebサイト にて。

オリジナル記事: www.gabrieltanaka.com/line-6-relay-g55-review-the-best-wireless-guitar-system/

Reprinted with permission.

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