POD HD

末原名人のPOD HD音作り塾 Vol.19 〜 ジェイ・グレイドンのトーンを再現

2013.04.09

70年代後半に一世を風靡したセッション・ギタリスト、ジェイ・グレイドン。まずは彼の名前を世界中に知らしめた、スティーリー・ダンの『彩 (エイジャ)』(1977) に収められた「ペグ」のギター・ソロのサウンドを取り上げてみよう。イレギュラーではあるが、この曲のリズム・トラックを担当したスティーヴ・カーンのプレイもシミュレートしてみたので、併せて聞いてみて欲しい♪ 今回も使用ギターはJTV-69、POD本体をインターフェイスにしたUSB経由のライン録り。

それにしてもこの時代、セッション・ミュージシャンの脚光の浴び方は凄いものがあった! アーティストそのものよりも、参加ミュージシャンをチェックしてアルバムを買っていたからね (笑)。もちろん、まだアナログ盤の頃。

トーン1: 「ペグ(ソロ)」スティーリー・ダン (『彩 (エイジャ)』より)

Red Comp -> Tube Drive -> Blackface Lux Nrm (Mic= 57 On Axis) -> Reverb (Plate);

Variax = SEMI sw1 (1961 Gibson ES-335/rear)

変な言い方だが、実に普通の音なのだ (笑)。アンプをドライブさせた歪みではなく、ほとんどクリーンなフェンダー・アンプにペダルを繋いだサウンドに聞こえる。この当時はES-335がメイン・ギターだったことくらいしか知らないが、MXRのDyna Compを歪みペダルの前にかけてサスティーンをかせぐという、日本でも流行っていたやり方で作ってみた。

» アンプ

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Vol.19_Tone01_fx

» デモサウンド

トーン2: 「ペグ (イントロ)」スティーリー・ダン (『彩 (エイジャ)』より)

Red Comp -> AC Flanger _> Blackface Dbi Nrm (Mic= 57 On Axis) -> Reverb (Plate); Variax = SEMI sw3 (1961 Gibson ES-335/center)

スティーヴ・カーンのこのプレイは何と言っても、フランジャーがかっこいい!! 実際に使った時はかなり驚いたものだ。MXRは高かったけど、凄かった。POD HDにはMXRのフランジャーが2つモデリングされていて、今回はエグめにかかるAC Flangerをチョイス。

» アンプ

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» エフェクト

Vol.19_Tone02_fx

» デモサウンド

トーン3: 「アフター・ザ・ラヴ・イズ・ゴーン (ソロ)」エアプレイ (『ロマンティック』より)

Red Comp -> Tube Drive -> Smart Harmony -> Blackface Lux Nrm (Mic= 57 On Axis) →Reverb(Hall); Variax = SEMI sw1 (1961 Gibson ES-335/rear)

エアプレイはグレイドンが、デヴィッド・フォスターと共に1980年に結成したユニットで、この作品はEW&Fがヒットさせた曲のセルフカバーだ。この曲に限らず、オーバーダブによるアイディア満載のハーモニー・フレーズを大得意とする彼だが、Eventide H-3000をモデリングしたSmart Harmonyを使ってリアルタイムで再現してみた!!

» アンプ

Vol.19_Tone03_amp

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Vol.19_Tone03_fx

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【POD HD用パッチのダウンロードについて】

このブログに掲載されているトーンは CustomTone からダウンロードして、お手元のPOD HDで使用できます。各トーン・ファイルは以下のリンク先で [Get Tone] ボタンをクリックするとコンピューターへダウンロードできます (Line6アカウントへのサインインが必要です。アカウントをお持ちでない場合は、ホームページ上部の「新規アカウント作成」をクリックしてください)。そのトーンをPOD HD Editソフトウェアに読み込みましょう。詳しくは 製品マニュアル をご覧ください。

Tone 1: JAY Peg

Tone 2: KHAN Peg

Tone 3: JAY After

注: この原稿はPOD HDのデスクトップ版をもとに作成されていますが、トーン・ファイルはPOD HD500やPOD HD Proでも使用できます。

yasushi_suehara

著者プロフィール: 末原 康志 (すえはら やすし)

セッション・ギタリストとして数々のアーティスト、シンガーのレコーディング、ライブにギタリスト、アレンジャーとして参加。末原名人の愛称で知られる。近年ではCHEMISTRYとのコラボレーションを始め、SCOOP ON SOMEBODY、長渕剛、河村隆一、渡辺美里、石井竜也、SMAP等の作品に携わる傍ら、4枚のソロ・アルバムと2枚のバンド・アルバムを発表している。

sueharayasushi.com/

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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