Variax Talk

阿部 学のVariax Talk #15: James Tyler Variaxギターの進化と実用性

2013.02.28

James Tyler Variaxは、今や私にとって手放せないギターになりました。Line 6の機材を多用するきっかけになったのは数年前のフラッグシップ・アンプであるVettaで、その当時はLine 6製品のデモンストレーションを行うのに加えて、ライブやレコーディングでも大活躍。女性ユニット、Zweiの過激な全国ツアーもノートラブルで乗り切ってくれました。

その当時、Line 6のモデリング技術に真空管アンプが融合したら、と思うことがありました。このコンセプトは、その後Spider Valveで実現しましたが、さらに自由度の高いエフェクターをプラスできたら、どんなに便利でしょう。

それが予想しない形で実現したのが「L6 Link」です。POD HD500から真空管アンプのDTへ接続したり、最近発売された StageSource L2 スピーカーと接続したりと、拡張性も非常に高くなっています。このL6 Linkに加えて、JTVギターをVDI (Variax Digital Interface) 経由で POD HD500 (あるいは POD HD Pro) へ接続したのが、ご存知「Dream Rig」ですね。

私も現在、このDream Rigセットアップを使っています。当初は DT25 Head + 112 Cab を使っており、現在はよりソリッドなサウンドを求めて DT50 Head をメインにしていますが、ボグナーと共同デザインされたDTシリーズは本当に素晴らしいアンプです! しかもJTVギター、DTアンプ、POD HD500は、それぞれ単独でも問題なく使えるので、利便性も非常に高くなっています。手軽なセットアップの場合はJTVとPOD HD500、フルセットで行くときはDream Rig。これが最近の使い方です。

abe20130228

JTVでは、最近はアップデートされたアコースティック・ギター・モデルをとても気に入っており、実際に使うことも多いのですが、やはりアコースティックなモデルはライン接続で音を出したいものです。エレキはDT、アコギはラインで、というときにはPOD HD500のルーティングの自由度の高さが役に立ちます。アコースティック・モデル用のプリセットではFX LOOPの機能を使い、POD HD500のセンド端子からPA卓やパワード・モニターへ接続すれば、アコースティック・モデルはライン、エレキ・ギターはL6 Link経由でDTアンプへ送って真空管アンプ・サウンド、ということが簡単にできます。

しかもJTVとPOD HD500をVDIケーブル経由で連動させれば、フットスイッチひとつで全てが一気に変更される、まさにDream Rig = 夢のギター・システムになります。これは使えますよ!

オリジナルVariaxの時代には、ここまで進化したシステムになるとは予想していませんでした。サウンドや機能も進化も凄いのですが、何よりも実用性が格段に上がっています。ギターとしてのクオリティもさらに突き詰められたUS Customシリーズもラインナップされ、さらにFloyd Rose® ライセンスのトレモロを搭載した JTV-89F も発表されるなど、隙の無い展開になっていると思います。

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さて、これまで10数回に渡ってJames Tyler Variaxギターに関するコラムをお届けしてきました、連載という形では今回でいったん終了させて頂きます。ご愛読ありがとうございました。私個人は今後もJTVをバリバリ使っていきますし、今後も不定期な形でコラムをお届けする予定です。近日中に、別な形でサウンドをお聞かせする予定もあるので、お楽しみに!

著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)

abe_memories13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。ソロ・アルバム『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。

http://blog.livedoor.jp/manabu_eternity/

*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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