Variax Talk
阿部 学のVariax Talk #12: JTVの活躍した現場
今回のVariax Talkでは、私が「JTVがあって良かった!」と実感した例を幾つか取り上げたいと思います。実際のところ、これがたくさんあるんです! 何せ普通のギターではできないことができてしまいますから。
私はフロントのピックアップを重視するんですが、ここにシングルコイルとハムバッカーを自在に選択できるだけでも、物凄く音作りの幅が広がります。通常のマグネティック・ピックアップの場合もコイルタップにより擬似的なシングルコイル・サウンドを出せるものもありますが、面白いことにモデリング・ギターの方がリアルなサウンドになります。
先日行ったレコーディング(時間をかけているプロジェクトなので、まだ非公開)では、基本的にはヘビーなトーンで、セクションが変わるとスペーシーなクリーン・トーンが必要になるという現場だったので、ヘビーなディストーション・サウンドはJTV-69に搭載されているハムバッキング・マグネティック・ピックアップのリア、クリーン・トーンではハムバッカーでは強過ぎるのでSPANKモデルのリアを使うことで、凄くシャープな音で録音できました。実はこの曲、作曲家さんが曲のキーで悩んでいて、ギターをドロップDbにするか、ドロップDにするかが問題だったのですが、ここでJTVのオルタネート・チューニング機能が活躍しました。ノブを回すだけでチューニングを変えてレコーディングでき、時間がかからないので聞いている人もイメージしやすいんです。しかも弦のテンションも変わらないので、弾きやすさも変わりません。
また、あるポップス・シンガーさんの現場ではライブの「曲繋ぎ」の場面で、うち1曲でアコースティック・ギターが必要ということがありました。ギターの持ち替え時間も無かったのですが、アコースティック・ギターのモデリングを使うことで対応できました。
James Tyler Variaxは、「プロギタリストなら絶対1本持っていてほしいギター」だと思います。これ1本であらゆる用途に対応できるのはもちろん、こだわりを持った絶対に外せない1本と組み合わせる、最強のサブギターとしても使えます。この組み合わせにより幅も広がるし、いろいろな場面に対応できる安心も手にできます。その意味で、プロのツールとして使えるギターです。
次回は、これまで使ってきたJTV-69のStandardモデルと、先日手に入れたUS CustomシリーズのJTV-69-USについて紹介したいと思います。
著者プロフィール: 阿部 学 (あべ まなぶ)
13歳でギターを始め、バンド活動。自己のバンド活動後、7弦ギタリストISAOやベーシストIkuoらと六本木ピットインでのセッション活動や、Line 6製品等のプロダクト・スペシャリストを経て、女性ユニットZweiのサポート・ギタリスト、世界的規模のテーマパークでのショー出演、『バトルギア4』や『グランツーリスモ TV』のゲーム・ミュージックにも参加。
ソロ・アルバム 『Memories』もリリースしている。現在は元flow-warの及崎森平らと“NumberClub”、メロディック・パンク・バンド“叫人Factory”、若手超絶ドラマー大菊勉とのセッション・ユニット“Power of Duo”にて活動するほか、様々なライブやレコーディング、ギター・レッスンに精力的に活動中。
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