POD HD

末原名人のPOD HD音作り塾 Vol.4 〜 エリック・クラプトンのトーンを再現

POD HDに搭載された革新的なHDアンプ・モデルは、チューブ・アンプ特有のフィーリングや挙動、サウンドを実現しており、ピッキングなどの演奏のニュアンスやボリュームに対する抜群の反応により、プロフェッショナルなギタリストからも非常に高い評価を獲得しています。このブログ連載では、ロックの歴史を彩るギター・サウンドを知り尽くした末原名人が毎月、名盤に収められた楽曲を題材にしながら、POD HDの音作りを解説!オーディオ・サンプルでトーンを確認することも、トーンのファイルをダウンロードして使うことも可能です。

by 末原 “名人” 康志

は~い第4弾!! 今回は60年代のエリック・クラプトン特集だ。この時代の彼のサウンドはロックギターの歴史の中で重要なポイントとなる。エリックがフルボリュームのMarshallにLes Paulを繋いだ瞬間がロック・ギターの幕開けだったとも言われているのだ! 3枚のアルバムからそれぞれ1曲ずつをチョイスしてみた。今回もサウンド・サンプルの演奏にはJTV-89モデリング・ギターを使用している。

POD HD使いこなしのヒント「Tube Compについて」

今回、各トラックで使用しているコンプレッサー、Tube Compはストンプ・タイプではなく、ラック・タイプのTeletronics® LA2A® スタジオ・コンプレッサーをベース*にしたモデルである。通常はマイクで録った音を入力して使われるが、PODの中でもそんな使い方が効果的であるようだ。さらに音圧が欲しかったり、太くしたいというときには試してみよう。

トーン1: 「ハイダウェイ」ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン

Screamer -> Brit J-45 brt -> Tube Comp -> Reverb (Plate): Mic=421 Dynamic; Variax = LESTER sw5 (1958 Gibson Les Paul Standard/front)

この頃の使用アンプはブルース・ブレイカーの愛称で知られるMarshall 1962。コンボタイプなので、POD HDではJTM-45をベース*とするアンプ・モデルと2×12のSilver Bellキャビネットを使ってみた。中々の雰囲気だ。1962をブーストしていたというトレブルブースターの代わりにScreamer (Tube Screamer® をベース*) を採用。

» アンプの設定

POD HD Vol.4 Tone01_amp

» エフェクトの設定

POD HD Vol.4 Tone01_fx

» デモ・サウンド

トーン2: 「サンシャイン・ラヴ」クリーム (『カラフル・クリーム』より)

Facial Fuzz -> Brit J-45 brt -> Tube Comp -> Reverb (Plate): Mic=421 Dynamic; Variax = LESTER sw5 (1958 Gibson Les Paul Standard/front)

クリーム時代からはスタック・タイプを使用している。そしてこのサウンドのメイン・キャラはFuzz Faceだ。歪みを稼ぐというよりはフィルター的な役目でのセッティングだと思う。こんな使い方も覚えておこう!

» アンプの設定

POD HD Vol.4 Tone02_amp

» エフェクトの設定

POD HD Vol.4 Tone02_fx

» デモ・サウンド

トーン3: 「クロスロード」クリーム (『クリームの素晴らしき世界』より)

Screamer -> Brit J-45 brt -> Tube Comp -> Reverb (Hall): Mic=421 Dynamic; Variax = SEMI sw1 (1961 Gibson ES-335/rear)

Variaxモデルの中でも僕のお気に入りのひとつ、SEMIモードで録音してみた。ScreamerはDRIVE=0、OUTPUT=フルという極端な使い方(笑)。

» アンプの設定

POD HD Vol.4 Tone03_amp

» エフェクトの設定

POD HD Vol.4 Tone03_fx

» デモ・サウンド

では、次回をお楽しみに!

【POD HD用パッチのダウンロードについて】

このブログに掲載されているトーンは CustomTone からダウンロードして、お手元のPOD HDで使用できます。各トーン・ファイルは以下のリンク先で [Get Tone] ボタンをクリックするとコンピューターへダウンロードできます (Line6アカウントへのサインインが必要です。アカウントをお持ちでない場合は、ホームページ上部の「新規アカウント作成」をクリックしてください)。そのトーンをPOD HD Editソフトウェアに読み込みましょう。詳しくは 製品マニュアル をご覧ください。

Tone 1: 10 Eric HIDEAWAY

Tone 2: 11 Eric SUNSHINE

Tone 3: 12 Eric CROSSROADS

注: この原稿はPOD HDのデスクトップ版をもとに作成されていますが、トーン・ファイルはPOD HD500やPOD HD Proでも使用できます。

yasushi_suehara

著者プロフィール: 末原 康志 (すえはら やすし)

セッション・ギタリストとして数々のアーティスト、シンガーのレコーディング、ライブにギタリスト、アレンジャーとして参加。末原名人の愛称で知られる。近年ではCHEMISTRYとのコラボレーションを始め、SCOOP ON SOMEBODY、長渕剛、河村隆一、渡辺美里、石井竜也、SMAP等の作品に携わる傍ら、4枚のソロ・アルバムと2枚のバンド・アルバムを発表している。

sueharayasushi.com/


*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

« 記事一覧に戻る
icon-arrow-up