POD HD

末原名人のPOD HD音作り塾 Vol.3 〜 エドワード・ヴァン・ヘイレンのトーンを再現

POD HDに搭載された革新的なHDアンプ・モデルは、チューブ・アンプ特有のフィーリングや挙動、サウンドを実現しており、ピッキングなどの演奏のニュアンスやボリュームに対する抜群の反応により、プロフェッショナルなギタリストからも非常に高い評価を獲得しています。このブログ連載では、ロックの歴史を彩るギター・サウンドを知り尽くした末原名人が毎月、名盤に収められた楽曲を題材にしながら、POD HDの音作りを解説!オーディオ・サンプルでトーンを確認することも、トーンのファイルをダウンロードして使うことも可能です。

by 末原 “名人” 康志

シリーズ第3弾はヴァン・ヘイレンのアルバム『1984』におけるエドワード・ヴァン・ヘイレンのサウンドにトライしてみた。看板曲とも言える「ジャンプ」、「パナマ」の2曲が収録されたヒット・アルバムだ。

レコーディングに使用されたアンプは定かではないが、Peavey® 5150がデビューする以前の作品なのでBrit J-45 Brtモデル (Marshall® JTM-45 MkIIのブライト・チャンネルをベースにしたモデル)をチョイス。この頃のギターはKramerのシグネチャーがメインだと思う。今回もサウンド・サンプルの演奏にはJames Tyler Variaxを使用しているが、ソリッドボディにハムバッカーのサウンドということで、モデリングでなく JTV-89 のマグネティック・ピックアップを使って録音してみた。この楽器自体の音色にも注目!

POD HD 使いこなしのヒント「POD HDのエフェクターの繋ぎ順を変えたい時」

・動かしたいエフェクターにカーソルを置きMOVEを押す。
・エフェクターが「持ち上がった状態」の画面に変わったらナビ・ディスクボタンの左右 (◀▶) を押して好きな位置に移動させる。

トーン1: 「パナマ」

4Band Shift EQ -> Brit J-45 Brt -> Rev(Hall): Mic=57 on; Variax = magnetic pickup rear

明くて、いかにもアメリカのバンド・サウンド!! 彼がグラフィック・イコライザーを使ってブーストしていたのは有名である。その辺りを意識して作ってみた。また、マイキング・パラメーターでエアーの量を調整できるのだが、これを多めにすることで箱鳴り感を出してみた。オリジナルでは深めに処理してあるリバーブも「Hallモード」を使うと良い感じだ♫

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POD HD Vol.3 Tone01_amp

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POD HD Vol.3 Tone01_fx

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トーン2: 「ジャンプ」アルペジオ

4Band Shift EQ -> Pitch Vibrato -> Brit J-45 Brt -> Stereo Delay -> Rev(Hall): Mic=57 on; Variax = magnetic pickup rear

Bセクションのバッキング・パート。エディ定番のフェイザーではなくて、この頃に流行っていたデジタル系のコーラスに聞こえる。アンプの歪みは少し抑えめだ。

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POD HD Vol.3 Tone02_amp

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POD HD Vol.3 Tone02_fx

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トーン3: 「ジャンプ」ソロ

4Band Shift EQ -> Tube Drive -> Phaser -> Brit J-45 Brt -> Stereo Delay -> Rev(Hall): Mic = 57 on; Variax = magnetic pickup rear

Tube Driveをブースター的に使用 (DRIVE下げめ、OUTはフル)。そして隠し味のフェイザーがキモになる!

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POD HD Vol.3 Tone01_amp

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POD HD Vol.3 Tone03_fx

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では、次回をお楽しみに!

【POD HD用パッチのダウンロードについて】
このブログに掲載されているトーンは CustomTone からダウンロードして、お手元のPOD HDで使用できます。各トーン・ファイルは以下のリンク先で [Get Tone] ボタンをクリックするとコンピューターへダウンロードできます (Line6アカウントへのサインインが必要です。アカウントをお持ちでない場合は、ホームページ上部の「新規アカウント作成」をクリックしてください)。そのトーンをPOD HD Editソフトウェアに読み込みましょう。詳しくは 製品マニュアル をご覧ください。

Tone 1: 07 Halen Panama

Tone 2: 08 Halen Jump arp

Tone 3: 09 Halen Jump solo

注: この原稿はPOD HDのデスクトップ版をもとに作成されていますが、トーン・ファイルはPOD HD500やPOD HD Proでも使用できます。

yasushi_suehara

著者プロフィール: 末原 康志 (すえはら やすし)

セッション・ギタリストとして数々のアーティスト、シンガーのレコーディング、ライブにギタリスト、アレンジャーとして参加。末原名人の愛称で知られる。近年ではCHEMISTRYとのコラボレーションを始め、SCOOP ON SOMEBODY、長渕剛、河村隆一、渡辺美里、石井竜也、SMAP等の作品に携わる傍ら、4枚のソロ・アルバムと2枚のバンド・アルバムを発表している。

sueharayasushi.com/


*各製品名は各社が所有する商標であり、Line 6との関連や協力関係はありません。他社の商標は、Line 6がサウンド・モデルの開発において研究したトーンとサウンドを識別する目的でのみ使用されています。

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