Line 6 全般

共同設立者ミシェル・ドゥワディークが語る開発の裏側

2011.12.04

マーカス・ライルとLine 6を共同で設立したミシェル・ドゥワディークは、会社の設立と極めて重要な製品の開発を支えてきた人物です。

Line 6はデジタル・モデリング・テクノロジーの業界リーダーであり、ハードウェアやソフトウェアベースの様々な製品を世界中のミュージシャンを送り出すパイオニアとなってきました。以下のQ&Aでは、ミシェル・ドゥワディークがLine 6のルーツと、1996年の会社設立以来、どのように製品ラインを生み出してきたかを語ります。

あなたのバックグランドは、もともとは他のエレクトロニクス会社のサウンド・デザインでしたが、自分の会社を立ち上げることになったきっかけは?

ミシェル: 既存の会社の従業員やコンサルタントの場合は、その製品のテクニカルな部分だけは情報を持っていても、その外観や機能、それに私にとっては最も重要な「ビジネスのスピリット」といった、ライン全体の方向性はそれほど知らされません。Line 6を始めて以降は、その全てを体験する機会があります。幸運なことに、そうしたことに付き物の悩みに関しては、まだ当時は無知でしたしね。

Line 6は1996年、特許取得のモデリング・テクノロジーをAxSys 212で発表しました。この製品はどのように開発され、ギタリストが音楽を作る方法をどのように変えたのでしょう?

ミシェル: ギタリストがクラシックなアンプやエフェクトの特定のサウンドへ設定できるようになり、それ以前には手に入れることのできなかったサウンドを体験可能になりました。特に重要だったのは、高価なクラシック機材へアクセスできなかった人も、独自のトーンのクオリティを楽しめるようになったことです。モデリングは、ギタリストがより幅広く、かつ満足の行く音楽的な体験を得ることに貢献していると思います。

POD製品ラインの開発と、それがLine 6やギタリストにとってどんな意味を持っていたかを説明してもらえますか?

ミシェル: オリジナルのPODは、最初のギター・アンプであるAxSys 212からダイレクトに派生したものです。この最初のアンプではデジタル・シグナル・プロセッシングで真空管をエミュレートすることにフォーカスしていましたが、PODにはスピーカーや物理的なキャビネットが無いので、スピーカーやキャビネットの振る舞いを再創造するアルゴリズムの開発を押し進める必要がありました。当時、他社のギター・プロセッサーにはこの点が欠けていましたが、PODは初めて、それを優れたレベルのリアリズムで達成しました。

“PODはLine 6の成功における重要なコンポーネントです。この製品が幅広くギタリストのコミュニティに受け入れられたことで我々は、どれだけ多くの人がクラシックな機材の正確なモデリングと、様々なサウンドへの簡単なアクセスを必要としているかを理解できました。”

この製品やその発展形により、ギタリストが自らの楽器を、新たなレベルで楽しめるようになったと思います。

Line 6はVetta、Variaxギター、Spiderアンプなど多数の先進的な製品をかなり短期間に発表しました。これらの製品の全てには、共通するビジョンや目的があるのですか?

ミシェル: 我々は音楽を愛していますし、ミュージシャンがより多くを実現できるようにするために、何かをできるのは素晴らしいですね。

あなた自身の音楽的バックグラウンドや影響、それらがあなたの選択に影響しているかを教えてもらえますか?

ミシェル: ミュージシャンとしてのバックグラウンドは、決して明るいものではないですね。自分ではギターを弾けると思っていましたけど、Line 6で働いている素晴らしいギタリストの足下にも及びません。

幸運にもエンジニアリングのバックグラウンドによって、現在でも音楽体験へ貢献できています。楽器そのものに集中でき、それで本物のミュージシャン達が価値あるものを創造しているのは、とても幸せなことです。

音楽的な影響に関しては、年齢が分かってしまいますがウェンディ・カーロスのシンセサイザー作品であり、それがきっかけで電子音楽の分野へのめり込むことになってしまいました。

カーロスの『スイッチト・オン・バッハ』以降、機材が生み出すことのできる新しいサウンドに魅了され続けています。”

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