Variax

ジャック・ソニがJames Tyler Variaxモデリング・ギターを詳解

2011.02.18

ギタリストそしてギターファンの皆さん、こんにちは! そしてJames Tyler Variaxデジタル・モデリング・ギターを掘り下げて行く最初のエントリーへようこそ。これから何ヶ月かに渡り、実際にこのギターをスタジオやステージ で一緒に体験していきましょう。まずは、その前に少しだけ自己紹介を・・・。

アーリー・アダプター

最初に“デジタル・モデリング・テクノロジー”という言葉を聞いた瞬間から、そして特にデジタル・モデリング・ソフトウェアを初めて実際に使ってか らというもの、私はこのアイディアが大好きになりました。機材に関してはアーリー・アダプター(初期採用者)であり、ギターやアンプ、トーンへ並々ならぬ 好奇心を持つギタリストとして、テクノロジーが実現するだろうモデリング・ギターが提供されるのを忍耐強く待ち続けました。

現在私は、これまでに行われてきた、テクノロジーがギタリストにもたらすエンドレスな可能性を実現しようという試みについて、以前のLine 6製品だけでなく、その他の製品に関しても理解しています。

ダイアー・ストレイツでは『ブラザーズ・イン・アームス』で、ギター・シンセサイザーを演奏してパートをレコーディングしました。ギター・シンセシ スとデジタル・モデリングに違いがあることは理解していますが、当時の私にとって、新しいサウンドを作り上げ、キーボーディストだけの世界へ侵入するツー ルは、ギター・シンセサイザーでした。またギタリストにとって、将来的なテクノロジーの進化が実現するものをおぼろげながらも見せてくれる最初の機会でも ありました。

初期の実験

合法的に仕事をできるようになって以来、私は自分が愛するもの、つまりギターに囲まれながら音楽の世界とレコード・ストアで働いてきました。私個人 のトーンの探求とは、素晴らしいギター・トーンが達成できるものの要素と細部を発見することと、それをどこまで進化させるかであり、それは一生続く実験と 調査になります。

ヘンドリックスに魅惑され、彼によるトーンの実験に刺激されたからだと非難することもできますが、私は機材による実験に心を動かされてきました。ギ タリストとしての初期のキャリアは、60年代と70年代のクラシックなトーンをキャプチャーする方法を探究することであり、それは60年代のStrat® とLes Paulギターを使った際にブラックフェースFender® コンボやMarshall® Plexiで実現する、ギター・トーンのベンチマークでした。

そこで学んだのは、トーン・チェーン内の全てのリンクが最終的な結果へ貢献し、インパクトを与えているということです。木材、弦、ピックアップ・マ グネット内で使用されている素材と巻きの量、真空管、スピーカー、キャビネットのサイズと素材、ケーブル、エフェクト・ボックスやコンポーネント、そして エリック・ジョンソンの伝説の通り、電池も関係しています。トーンの細部やニュアンスまで追求することは、違いをどう聞くかを学ぶことです。

学んだこと

これほど詳しく説明したのは、80年代にギター・シンセサイザーを追求したときに学んだ最も魅力的なことが、ギター・モデルの再創造では、その結果 の善し悪しを問わずギター“コントローラー”そのもののクオリティに影響されるということだからです。当然だと思われるかもしれませんが、テクノロジーで 再創造するクラシックな、あるいは“現実の世界では不可能な”ギター・トーンを1本のギターで生み出すことへ真剣に取り組みにつれ、私は演奏性の優れた ネックやより軽量なボディ材がそれぞれ、最終的な結果を大幅に向上させるということを発見しました。それに大量のギターを持ち歩くのは嫌ですからね。

テクノロジーの約束

スタジオでの作業では、時間さえあれば必要なものは何でも手に入れることが可能です。オープンGでチューニングされたギター・パートが必要ならば、 お気に入りのギターを出して、それをチューニングすればいい。ドロップDでも同じことです。全ての弦を半音下げれば、高温のパートも簡単に歌えるようにな ります。バーズっぽい12弦パートが必要なら、Rickenbackerを手に入れればいい。私はStrat® ファンですが、耳の中にデュアン・オールマンの亡霊が現れたらLes Paulを手に入れます。

でも、お気に入りの曲を2時間演奏するためだけに、6本のギターを運搬したいとは思いません。1本のギターで、常に探し求めている全てのトーンを生 み出すことができて、メインのギター同様に愛せるものが必要です。そして最も重要なのは、それをライブ・ステージで、手首や指先、足を動かすだけで実現で き、しかも頭に思い浮かんだ瞬間に実行できるということです。

これがギタリスト、つまり読者のように無慈悲で飽きっぽいトーン・マニアが、テクノロジーで実現したいと考える約束です。そして私はそれを今、実現したい。キーボーディストは、もうそれを長年に渡って手にしているのです。

それはロックするものだけに与えられる

クリスマスの朝に目を覚ますとサンタがTyler Variaxを置いていたので、去年の私は凄く良い子だったんでしょう! そのラッピングを外しながら思い浮かんのは“彼らは実現したのか?”ということ です。ジェームス・タイラー氏 (心から尊敬するルシアー) とLine 6 (以前働いていた会社で、私は長年に渡る雄弁なエバンジェリスト兼批評家です) の共同作業が、遂にあの約束を実現したのでしょうか? それが、今手にしている1本のギターなのでしょうか?

今後のブログでJames Tyler Variaxギターの体験を記録に留めていきますので、ポストをお楽しみに。

ではまた次回。Be well and let it rock.

ダイアー・ストレイツのマルチプラチナム・アルバム『ブラザーズ・イン・アームス』のレコーディングと、そのワールドツアーの際の“もうひ とりのギタリスト”として世界に名を知られたジャック・ソニは、エリック・クラプトンやキース・リチャーズ、ピート・タウンゼント、ボブ・ディラン、ス ティングら、ロック界のアイコン達とステージやスタジオで演奏してきました。

ジャックはニューヨーク48番街にある有名なRudy’s Musicを、ギタリストのトーンに関する問題へ最高のソリューションを提供する場所として確立したマネージャーとして、そのアドバイスと卓越性が評判に なり、ギターに関する全てに深い知識を持つトーン・グールーとして尊敬されています。

ダイアー・ストレイツの後は楽器業界で絶賛され、強い影響力を誇るキャリアを有しています。その中でもSeymour Duncan、Rivera Amplifiers、Line 6での製品開発は特に有名です。2006年、Guitar Centerの広告担当VPの職を辞して以降は、クリエイティブな世界へと戻りました。

現在は、回顧録「Rock n Rolled: Living the Dream, Surviving Reality」の刊行を待つ一方、トーンの飽くことなき追求を行う情熱的なギタリスト兼機材フリークであり続け、またクールな機材を手に入れる不治の病 に冒されています。

ジャック本人と彼の著作、機材や音楽など、彼の心に浮かんだ全てのことは、以下で紹介されています: www.jacksonni.com

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