Helix

シャムキャッツ Helix導入レポート
~ライブ・ステージ編~

“普通のペダルと違って、Helixは心強い
アシスタントがひとり増えたみたい”

去る6月19日に、シャムキャッツ主宰のライブツアー”EASY TOUR”の最終公演が恵比寿リキッドルームで開催された。KIRINJIやGREAT3といったベテラン勢からTaiko Super Kicks、The Wisely Brothersといった若手、そして盟友のどついたるねんまで、幅広いアーティストたちが参加し、正午から夜遅くまで熱演を繰り広げた。ツアー・ファイナルというよりも、フェスティバルのような大盛況となったEASY TOURファイナル。シャムキャッツが登場したのは21時過ぎだ。伸びのある夏目のボーカルを軸に、情感のあるミドルテンポから、衝動的なUK風味のガレージ・ロック、サイケデリックなポップまで、色彩豊かなバンド・アンサンブルをおよそ一時間にわたって披露した。

小気味のよいカッティング、柔らかみのあるディストーション、空間系のペダルを巧みに用いて、多彩なギター・プレイを聴かせてくれた菅原慎一。彼がステージに持ち込んだ機材は、まずギターがFender Stratocaster、アンプは同Bassman。「シャムキャッツはいろんな音を出すから、ペダルもたくさん用意します」と言う菅原。足元にはズラリとペダルが並ぶ。特に空間系はLine 6 DL4やBOSS、STRYMONなどの数種類を使い分けているようだ。それらに加えてLine 6 Helixが、ペダルセクションの最終段に接続されていた。接続はギターから歪み系 → コンプ → 空間系 → Helix → アンプという流れだ。菅原がHelixをライブ・ステージで使うのは今回が初となった。そもそも彼がHelixを導入したのは、8月10日発売のニューシングル「マイガール」のレコーディングがきっかけで、「新曲でちょっとサイケなディレイ・サウンドが欲しかったんです。HelixのHarmony Delayという音色が求めているディレイにピッタリだったので使ってみました」と、その経緯を菅原は説明する。

その「マイガール」は、セットリストの後半で演奏された。煌びやかなHelixのハーモニー・ディレイのサウンドが、しっとりとした雰囲気の同曲に深みをプラスしていた。レコーディングでHelixを使用した際の話は前記事(レコーディング編)に詳しいが、今回ライブで使用して、菅原はどんな感想をもったのだろうか?

「安心感がありました。やっぱりレコーディングで使ったプリセットをそのまま使えるっていうのは大きいですね。それにライブは会場の形状や壁の材質、天井の高さなどによって音が変わる。スタジオで理想の音を作っておいても、会場で鳴らしてみたら“あれ何か違うな”って感じになることも多くて。そういうときにHelixだと、曲の合間などに微調整できるのがいいですね。普通のペダルと違ってHelixは心強い。アシスタントがひとり増えたんじゃないかってくらいでした」

“大きな会場で、でかい音で試してみて
やっぱHelix、音いいなって、改めて思いました”

暗いステージでの視認性や操作性に優れるHelixは、菅原に予想外の出来事をもたらしてくれた。当日、Helixを使う予定がなかった曲でも、本番ぶっつけで急遽使用したと言う。

「空間系のエフェクトを本番で使ってみました。Helix以外に僕が持っているペダルはいわゆるアナログなツマミがついたものだから、暗転したステージの上で大きくツマミの位置を変化させるのって、ちょっと危険なんですよね。でも、Helixは液晶パネルが見やすいし、目盛で調整できるから、思い切って別の曲でも使ってみたんです。そうしたら思った通りのサウンドが得られて、演奏中、ひとりでニヤりとしてましたね(笑)」

ちなみに今回のイベントは出演バンドも多かったので、転換時に簡単なサウンドチェックをする程度で、ほぼリハーサルなしというスケジュール。こういったスピーディーなセッティングが求められるシチュエーションにおいて、このようなストーリーが生まれたことからも、Helixの卓越した操作性の高さを感じとれる。続いて音質面についてだが、シャムキャッツのバンド・サウンドはハイファイというよりも、温かみのある音質という印象。「マイガール」の演奏を聴くと、バンドのアンサンブルとHelixの相性も良いようだ。Helixのサウンドを“クリアで堅実”と評価する菅原だが、ライブで使ってみて、改めて音質の良さに驚いたという。

「ペダルって大きな会場で、でかい音を鳴らしたときに真価が問われるっていうか、大音量でやったときに“良いペダル/ダメなペダル”に分かれると、僕は思うんですね。Helixはもちろん後者。今回リキッドルームでHelixを使ってみて“やっぱこれ、音いいな”って、改めて思いました」

菅原のギター・サウンドの要とも言えるのが、ディレイやリバーブといった空間系のエフェクト。Helixのキメ細かいパラメーターの設定をメモリできる機能は、菅原にとって、今後の活用方法を広げてくれるものだと語る。



「いくつも空間系のペダルを使っていますけど、それだけだと限界があって。本当は一曲ごとにペダルのツマミを設定し直したいくらいなんです。でも、Helixなら曲ごとにディレイ・タイムやリバーブの深さも設定しておける。僕自身、良い曲を作ったり、良いサウンドを出すための表現方法として、そこまでシビアに突き詰めたい。ただ、シャムキャッツはあんまりそういうことをするバンドに見られないんですけど(笑)、実は夏目も最新の機材が好きだし、僕らの足元には新製品がごろごろ転がっていたりもするから、本心はわりとそっちにあって。ゆくゆくはライブのセットリストの曲順に合わせて、プリセットを組んでやってみたいですね。今は手持ちのペダルとHelixを併用していますが、Helixだけを使ったライブにも挑戦したいです。」

写真・映像・テキスト:伊藤大輔
写真・映像:竹川潤一

シャムキャッツオフィシャルHP http://siamesecats.jp/
菅原慎一twitter  https://twitter.com/s_bolo
菅原慎一 BLOG  https://someedosomeedo.wordpress.com/

<リリース情報>
シャムキャッツ
new single「マイガール」

[収録曲]
1. マイガール
2. お早よう
3. 真冬のサーフライダー

<DVD 初回生産限定盤のみ付属>
バンドの毎日(約60分収録)

2016年8月10日(水)発売

■初回限定盤(CD+DVD) ¥1,800+税TETRA-1001D / JAN:4522197123738
■通常盤(CDのみ) ¥1,000+税TETRA-1001 / JAN:4522197123745

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