中村天佑

速弾きやタッピング、エコノミー・ピッキング、スウィープなど、あらゆるテクニカル・プレイを弾きこなし、ジャズのアプローチも習得した多彩なギター・スタイルで注目される中村天佑氏は、様々なレコーディングに参加するほか、ライブのサポートや教則本「12の法則と戦略でテクニカル・ギターが弾けるようになる本」(リットーミュージック刊) の執筆など、実に幅広い活動を行っています。

中村さんが James Tyler Variaxの導入を決めたのは、レコーディングやライブをサポートしている声優の今井麻美さんが行ったO-EASTでのライブがきっかけでした。その進行上、「アコースティック・ギター、エレクトリック・ギターの半音下げ、その次にスタンダード・チューニングのディストーションのエレキっていう流れがあり、持ち替えのために時間を空けたくなかった」ということで、3本のギターを持ち替えなくて済むよう、昨年の春からJTV-89 Blood Redを使い始めました。

「JTV-59も試奏したんですが、ネックがしっかりしている感じで、ライブで使う他のギターから持ち替えた際のことを考えると細い方がいいと思ってJTV-89を選びました」。このときのライブはDVD/BDでリリースされた『今井麻美 バースデーライブ 2011 – at Shibuya O-EAST -』にも収められています。「JTVは、ボサノバ風の曲でも、ハコモノのジャジィな音が欲しいときに使いましたね」。

スタジオや自宅でさまざまなレコーディングを行う中村さんは、「例えばジングルの仕事などをするときなどには、一瞬しか使わなくても12弦などいろいろな種類のギターの音が必要なので、そんなときにもJTVは本当に便利ですよね」と語ります。「モデリングしたギターのトーンは、本当に似てますよね。ギターはアタックがかなり重要なんですが、JTVの場合はノブを見なくてもアタックを聞くだけで、すぐに何のギターなのかが分かる。そこが凄いなって思います」。

「よく使うモデルは、ディストーションやリードのときにはレスポール系、あとカッティングだとストラト、テレキャスも使いますけど、アコギに設定して歪ませるみたいな変な使い方をすることもあります。アタックが凄く出ているのみ歪んでいるみたいな、このギターにしかできないような使い方をしますね」。

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また、オルタネート・チューニングも非常に便利だと言います。「ギタリストにとって、曲のキーはとても大切ですね。ポジションとか開放弦との兼ね合いもありますし。作曲者が必ずしもギターのことを考えているわけではないし、デモの音源を聞いた段階で、このキーなら明らかにダウンチューニングにした方がいいだろうということも多いですね。歌ものだと歌いやすいキーにすることも重要ですしね」。また、ギターそのものの音程の良さも評価します。「ギターの場合、チューニングは特に2弦が大切で、2弦と3弦の音程のバランスも重要なんですけど、JTVはその辺も問題ないですね」。

「これまではギターからアンプ・シミュレーターに繋いで、ライブではPAにはキャビネットをマイキングしたものを送り、レコーディングする場合はラインで送っていました。最近は POD HD500 も使うようになったんですが、やはり足元で全部コントロールできて、機材も少なくなるのでいいですね。このJTVとPOD HD500の組み合わせで1ステージやることも、全然問題ないと思います」。



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