加藤拓也

sacra

ストリートライブやインディーズでの活動を経て、2004年にアルバム『イエスタデイ』でメジャー・デビューを果たしたsacra。その楽曲を支えるさまざまなギター・トーンを生み出してきたリード・ギターの加藤拓也さんは、チューブ・アンプ特有の歪みとギターのボリュームとの組み合わせを重視しています。7月に発表されたsacraの最新シングル「ネバエバ~100万粒の涙~」では、Line 6の新たなフラッグシップ・アンプ、DT50のトーンがフィーチャーされました。

このDT50は、Line 6のHDモデリングとラインホルド・ボグナー氏のデザインによるフレキシブルなフルチューブ・アンプが融合したユニークな製品であり、4種類のボイシングを切り替えるとパワー・アンプ部分のコンフィギュレーションが物理的に再構成されるなど、1台のアンプに4種類のブティック・アンプが搭載されているように機能します。

デビュー前からBognerのアンプを愛用してきた加藤さんは、DT50 112の印象を「4種類のボイシングをスイッチで切り替えることでキャラクターを選んで、あとはノブでサウンドをセッティングできるので、視覚的に分かりやすいし音も作りやすいですね」と語ります。「組み合わせによっていろんな音が出せる一方で、Bognerのアンプのキャラクターに近い部分もありました」と評価し、「ネバエバ」ではテレキャスターによるバッキング・トラックで、チャイミーなブリティッシュ・サウンドが得られるボイシングIIIを、カップリングされた「Everything’s gonna be all right」では、レスポールを使ったメインのバッキング・トラックで、ハイゲインなボイシングIVを使用。「とにかく音を瞬時に変えられて、しかも選びやすいのが便利でしたね」。

sacraのライブにおいては、ギター、チューブ・アンプと共に、ギター・ワイヤレスも重要な役割を果たしています。デビュー以来、大抵のライブでアナログ・ワイヤレスを使ってきた加藤さんは、その一方でトラブルにも悩まされることが多かったと言います。「メインとサブ用に1セットずつ購入したんですが、どちらか一方だけにノイズが乗ったり、野外だと問題が起こることが多かったりと使えないことも多かったし、メンテナンスや修理にも結構お金がかかりました。現場でもゲイン調整をする必要があったりと、面倒でしたね」。

プリプロでは POD Farmプラグインを活用し、またストリートライブでは初代PODの出力をPAに送ることで太いサウンドを得るなど、従来からLine 6製品を活用してきた加藤さんがデジタル・ギター・ワイヤレスに出会ったのは今年春にStudio NOAHで行ったリハーサルで、無料レンタルキャンペーン中 (現在も継続中) の Relay G30 が最初だったと言います。「ケーブルを挿すだけで音を飛ばせるというのに、まず感動しました。僕の場合はアンプで歪ませて、音を絞りたいときは手元とボリューム・ペダルを使ってクリーンにしたりするので、ギターからそのままのレベルで送れるのがいいですね。セッティングの簡単さ、それにコンパクトで軽量なことにも驚きました」。

Line 6のデジタル・ギター・ワイヤレスは、ケーブル同様に入力と出力のレベルが常に同じで、また距離が離れても音質が劣化しないのが大きな特長です。「ギターは有線のときと同じセッティングで弾いていますが、高域がクリアに聞こえるせいか、ケーブルトーン機能も使って、若干ハイを削ったりもします。曲中でロングトーンのハウり(フィードバック)を使うんですが、普段と全く変わらない音が出てびっくりしました!」

現在、全国各地の大小さまざまな会場で行われているsacraのライブで Relay G50が使われています。この機種は金属製ボディの送受信機を採用する上、同一空間で最大12チャンネルを使用でき、通信距離も見通し60mを実現するなど本格的なプロ用途に対応。ボーカル&ギターを担当する木谷 雅さん、ベースの足土貴英さんも導入したモデルです。「足元にはモニターなども多いので、Relay G50の受信機はアンプの上に置いて、その出力から足元のエフェクターまで引っ張ってきています。ライブ・ハウスから、ホールから、野外から、いろいろな場所で使いました。1,000人くらいの会場の規模まで使いましたけど、全く問題ないですね。オプションのプレミアム・ケーブルも、元のケーブルより取り回しもいいですし、音も中域がふっくらするのでオススメできます」。

sacraオフィシャルWebサイト:
www.sacraweb.jp