岡 聡志

ギタリストの岡聡志さんは現在Helix Floorを使用されています。高校卒業後、上京と共にESPギタークラフトアカデミーへ入学、1年間ギター制作を勉強した後MI JAPAN東京校に入学。在学中にGuitar Magazine Championship 2012およびGIT Masters 2012にて最優秀賞を獲得し、以降さまざまなアーティストのライブ/レコーディング・サポート、Guitarist on Demandにおいてイベントやコンテストの開催、自身のソロライブ(ギター・インストルメンタル)など多岐にわたりご活躍中です。2016年にHelix Floorを購入し、おもにライブで使い続けているそうですが、どのような経緯で本機に辿り着いたのかお訊きしました。

「昔はコンパクト・エフェクターを試してみた時期もあったんですけれど、僕はそこまで馴染めなくて、もっと楽に済ませられないかとずっと思っていたんですね。そこからマルチ・エフェクターを愛用するようになりました。ただ当時のマルチは、空間系が充実していても好きな歪みはなかなか見つからなかったりもして……、と悩んでいる中、Helixが発売されまして、これじゃん!と思いましたね。以前からPODシリーズは家で使わせてもらっていたので、音色に対する信頼はもともとありましたけど、それよりもハイグレードなサウンドをライブで出せるようになるのはありがたいと思いましたし、なによりも楽であることが一番のポイントでした」。

「やっぱりコンパクトの場合は何かトラブルが起きた時の対処がとても大変じゃないですか。なるべくプレイに集中したいので足元はすっきりしたい。そういう意味で非常に助かっています。あと見た目がカッコいいのもいいですよね。各フットスイッチに液晶が付いているのも大きなメリットですし、メイン画面も大きいのでどんな順番で何のエフェクトが並んでいるのかが一瞬でわかる。ライブユースを考えると、僕にとってはHelix Floorが一番いいですね」。

サポート業は多彩な音色が求められるものですが、ソロ活動においても、フュージョンからプログレッシヴ・ロックに至るまで、ギター1本による表現の幅を追求されている岡さん。そんな活動にとって、Helixはどういった役割を担っているのでしょうか。

「僕がライブでよくやるインスト曲は、ジャキジャキのカッティングからアラン・ホールズワースのような甘いトーンまで、かなり振れ幅のある音色が必要になってくるんですが、それをコンパクト・エフェクターでやろうと思ったらいくらかかるんだという話じゃないですか。そのすべてをひとつの機材でまかなえるというのはやっぱり助かりすぎますよね」。

「従来のマルチ・エフェクターはどうしてもデジタル臭いと言いますか、サウンドを追求しきれない部分も感じてたんですね。でもHelixは本当にクオリティが高いので、求めるレベルまで簡単に作り込むことができるというのは素晴らしいと思います。もちろんラインで出すことを想定しても、アンプのセンド&リターンに挿しても良い音を作れる、要は様々な用途で使えるところが便利ですよね。さらにプラグイン(Helix Native)も登場したわけですから、どこまで守備範囲を広げる気なのかと言いたくなります(笑)」。


“僕にとってはもうこれがないとライブができない存在”

ここからは使用される中で抱いた実感を語っていただきました。「最近はライン出しをすることが多いんですけど、基本の音を作る上でアンプを決めたら細かいトーンの調整はアンプ側の個々のパラメーターをセッティングするよりも、マイクとキャビネットの距離を変えることが多いです。基本的に距離が近くなればなるほどローが出てミッドがへっ込む傾向があると思いますが、歌ものでバッキングをする場合はミッドが邪魔になる場合もあるので必要に応じてマイクを近づけます。リードの場合は逆に離す事が多いです。これって実はアナログな発想だと思うんですけど、実際のマイキングの音の変化をある程度知ってるからこそと言いますか、アナログに慣れてる人でも直感的に操作できるので使いやすいと思いますね」。

「あとは同じディレイをふたつ使用することにハマってます。それぞれのタイムを少し変えてあげると一味違う雰囲気を出せたりするんですね。機材によってはDSPの処理能力の関係でたくさんのエフェクトを同時に追加できないこともあると思うんですけど、Helixに関してはデュアルDSPパワーによるHXモデリング・エンジンですから、そこはまったく気にしなくていいわけですね。歪みエフェクトが3つくらいほしい、さらに空間系もモジュレーションも、といった感じで思いついたことに十分応えてくれるだけの容量の大きさ、懐の深さを備えているというのはすごく大きいです」。

「2016年に小岩のバックインタイムでライブした時に、会場の都合によりラインで出すことができなくて、急遽その場に置いてあるアンプを使わなければいけなくなったんですよ。自分のソロライブだったので音作りをする時間は多少あったんですけど、そういった切羽詰まった状況でもかなりあっさりとサウンドメイクすることができたんですね。それまでは特に歪みに関して、コンパクト・エフェクターのモデリングはあまり使っていなかったんですけど、ちょっと試してみたらめちゃくちゃ使いやすくて。お客さんにその日の感想を訊いたら『音が良かったです!』と言ってもらえて安心しましたね。本当にアンプセクションをひとつ設定するだけで使える音を出すことができるので、楽に音作りができるからこそ、デジタル機材ってよくわからないという人にも触ってみてほしいと思います」。

岡さんのギターライフにとって、Helixは大きな支えとなっていることがわかりました。最後に今後の展望をお伺いしましょう。「僕にとってはもうこれがないとライブができないという存在にまでなってるんですけど、レコーディングや自宅制作ではあまり使ってこなかったんですね。でもHelix Nativeがリリースされまして、個人的には空間系に素晴らしいものが多いという印象で、音色のバリエーションもすごく多いですし、ギター以外の楽器に使ってみてもおもしろそうだなと感じるので、これからいろいろ試していきたいと思っています」。

文=秋摩竜太郎



使用機材

 

Helix Floor

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