写真=星野俊

佐藤大剛

Do As InfinityやももいろクローバーZをはじめとする数多くの著名アーティストのサポート、「FNS歌謡祭」や「MUSIC FAIR」といった大型音楽TV番組への出演等、音楽シーンの第一線で幅広く活躍されている佐藤大剛さんは、2017年春にHelix Floorを導入しました。

これまで、自宅でLine 6 PODシリーズを使ったことはあったものの、主に操作面の不安から「信頼関係」が築ききれず、マルチエフェクト・プロセッサーを外の現場で使うことはなかったそうですが、今回Helix Floorの導入に至った経緯について、次のように語ります。
「僕の仕事の中にテレビ番組での生演奏があるんですが、やはりテレビは映像重視なので、楽器を演奏するのに必ずしも最適とは言えない環境でプレイしなければならないことがあるんですよ。他の楽器のプレイヤーの妨げにならないようにスピーカーを反対に向けられたりとか、あるいは楽器間の干渉を避けるために音量を極端に下げたりとか…そういう環境に対応するために、ライン出し+イヤーモニターの外に全く音が出ないシステムで納得の行くいい音が作れたらいいなと考えていたんです」。

そして、いくつかの製品を比較検討した中で、最終的にHelix Floorに行き着きました。
「他社のものだと何かをしようとした時に階層に深く入っていかないとできないことが多かったのですが、Helixは“ギタリストの感覚”で直感的な操作が可能だったので、そういった実際に触ってみた感じやとっつき易さと言うところを含めて決めました。あと筐体がすごくしっかりしているので、ツアーに持ち回っても安心です」。

テレビ番組や、ライブでもスタジアムからライブハウスまで、様々な規模や環境でプレイすることがあるだけに、サウンドシステムもそれに対応できるフレキシビリティが求められると言います。
「テレビの現場であればHelix Floor 1台で完結できますし、ツアーの中では他のモデリング・アンプを使ってHelix Floorをエフェクター&MIDIコントローラーとして使用することもあります。現場が重なると、以前から使っているアンプヘッドと巨大なエフェクト・ボードを使うこともありますが、どのシステムでも”スイッチャー”としての部分は同じように並べることにしていて、その辺もHelix Floorは自由にセットアップできるので、重宝しています」。
「現場によってはPAエンジニアさんから、ギター特有の帯域をマイクで拾いたいので、(ラインだけではなく)キャビネットも鳴らして欲しいと要求されることもあるんですが、それに応じたルーティングの変更も簡単にできます。あとは、ライブだけでなく、データ納品の制作の仕事においても100%使ってます。Helix Floorにはベース・アンプのモデルも入っているのでベースまで録ったりして、オーディオ・インターフェースとしても活用してます」。

また佐藤さんは、様々なタイプの楽曲に対応するのに、プリセットを多用するのではなく、“スナップショット”機能を活用することで、音色に幅を持たせながらも統一感のあるサウンドを生み出していました。
その音作りの基本においては、「何か1つポイントを決めておかないと、別々に作ったそれぞれのパッチはいい音がしていても、曲中でパッチを切り替えたとき、アンサンブルの中に入ると居場所が変わってしまうことがあるので、キャビネットのシミュレートを使うときはマイク・モデルや距離の設定は決まったものを使用している」とのことで、その上で、“スナップショット”によってエフェクトやパラメーターの設定を調整しながら音色に変化を加えているそうです。
「“スナップショット”は、ベースとなるセットアップを維持しながら複数のサウンドのバリエーションが構築できるので、僕の場合は1つのアンプ・モデルにつき4種類のスナップショットを設定して使っています。アンプの種類は、クリーン、クランチがそれぞれ2種類に、あとディストーション、リードがあればもう十分ですね。なので、プリセットはそんなに多く使わないんですよ」。

Helix Floorはすでに多くの現場で実戦導入されているとのことで、最後に、これまで使用した中での総合的な印象をお聞きしました。
「いろんなタイプの曲を演奏することが多いですが、それぞれに適した機材を1つ1つ揃えて行くと、物量的にも金銭的にもとてつもないことになってしまうのが、Helix Floorはそれをスイッチのアサインだけで呼び出せて、サウンドクオリティ的にも、聴いてるときはもちろん、もはや弾いていても全く違和感のないレベルになっているので、すごい時代だなって思います。今後も進化を続けながら、普遍的な機材でいて欲しいです」。

【プロフィール】
17歳の時、Keith Richardsに憧れギターを始め、その後19歳でギタリストを目指し上京。
その後数多くのアーティストのライブ、レコーディングに参加する他、自身のユニット Hi-litesとしての活動も行っている。

●Live/Recording参加アーティスト
Do As Infinity、家入レオ、JUJU、東方神起、kinki kids、コブクロ、スネオヘアー、スキマスイッチ、持田香織、KAN、熊木杏里、さだまさし、一青窈、川嶋あい、ももいろクローバーZ、SMAP他多数

【オフィシャルウェブ】
http://picnicsound.com/hi-lites.html

【デジマート・マガジン】
佐藤大剛 — 卓抜の職人マルチ・インストゥルメンタリストを支えるLine 6 Helix Floorの多機能性



使用機材

 

Helix

新世代のギタープロセッサー

製品情報