鈴木“Daichi”秀行

絢香「三日月」や平井堅「いとしき日々よ」、miwa「春になったら」、YUI「feel my soul」など多数のヒット曲を矢継ぎ早に世へ送り出すアレンジャー/プロデューサー、鈴木“Daichi”秀行氏は名実ともに国内のトップ・クリエイターであり、また自らの音楽制作へ意欲的に取り入れる新しい機材が注目されるビジョナリー的存在でもあります。優秀なギタリストでもある氏が制作に使用するツールに、James Tyler Variaxモデリング・ギターのJTV-69も早速仲間入りを果たしました。

アレンジやダビング、ミックスの作業までもが行なわれる自身のスタジオでは歴代のPODシリーズや M9 Stompbox ModelerなどLine 6製品も活躍。「シタールの音とかがスゴイじゃないですか (笑)」というオリジナルVariaxも使われてきました。「エレキシタールも持っているんですが、調整が結構大変なんですよ。でもVariaxならパッと音が出るし、ギターを持ち替えなくてもいろんな音を出せるので、これまでは特殊なサウンドをアディショナルな感じに使うことが多かったですね」。

そのDaichiさんが昨年末から使用しているJames Tyler Variax JTV-69は「ギターそのもののクオリティが凄く高いから、ギターとしてはむしろ安いと思うぐらい」と、ギター本体の質も高く評価します。ジェームス・タイラー氏がカスタムデザインしたマグネティック・ピックアップのサウンドは、2/29にリリースされたダイスケのシングル「あなたにしかできないこと」の「空想ワンダーランド」やアルバム『ボクにできること』の「ホリディ」など数曲、3/14に発売されたばかりのmiwa『Guitarium』の「始まりは終わりじゃない <endless version>」など、最新の作品にも多数フィーチャーされています。

またTelecaster をベースとしたT-MODELバンクのサウンドもお気に入りで、ダイスケの「冷たい夜に」の印象的なカッティングなどに活躍。「本物と比べたりもしたんですが、こっちの方が太くていいんじゃないかなと思うこともあったりします。カッティングしても、タイミングの問題もなくタイトですね。特有のガチャガチャした感じというか、ソリッドな雰囲気がイイ感じに出てます」。

合計29種類もの楽器を1本で実現できるJames Tyler Variaxは、アイディアをすぐ音にして、試行錯誤しながら進めるアレンジの作業に最適であり、ダイスケのアルバムではシタールのトーン (M11) やRickenbacker® モデル (M12) も使われました。「普通のギターだと、まずセッティングして音作りして、それから初めてオケと合わせてみて、ああやっぱり違うなってなることもある。シンセだとプリセットを切り替えながら作業できますけど、ギターだと持ち替えなければいけないし、12弦ギターだったらチューニングから始めなくてはいけない。こうやって1本でいろんな音を試せると作業スピードも上がりますね」。



また、ギター本体のチューニングを変えず、ノブを回すだけで出音のみを変更できるオルタネート・チューニング機能も「音の違和感が無い」と絶賛。「半音下げとかは割とやりますね。イントロだけボトルネックをちょっと足そうかなというときに、すぐにチューニングを変えられるのも便利。それ自体はアナログなものなのに、違和感が無いのは凄い技術ですよね」。

多数の機材に囲まれ、充実した制作環境で作業を行うDaichiさんにとって、James Tyler Variaxはプロフェッショナル・レコーディングに耐えうるサウンドのクオリティと、優れた対応力を実現するフレキシビリティを提供するツールとなっています。「何のモデリングかというよりも、“大胆に音の変わるギター”という捉え方をしています」というJTV-69は、次のヒット作の制作にもきっと活躍してくれるでしょう。

鈴木“Daichi”秀行オフィシャル・サイト:
dai-chi.sakura.ne.jp/